一般的な日本人がイメージするラップといえば、いわゆる“不良文化が密接したB-BOY”か“韻を踏まないラブソングを歌うラップグループ”のどちらかが多いだろう。彼はそのどちらでもない。B-BOYファッションに身を包まず、自身の生き様をリリックに乗せ、自由度のある高いラップスキルでインターネット上からリアルな現場まで沸かせる“ニコラップのパイオニア”、それが「SHEART」(シャート)だ。
そんな彼の楽曲『I’M-A-LIVE』が現在、アーティストとファンをダイレクトに繋ぐ音楽サービス「Frekul(フリクル)」のサイトで期間限定で無料配信されている。
「特に事務所に所属する訳でもなく、自分で模索しながら活動してきたため、寄り道も多くあった。今現在も、寄り道の途中かもしれません」と彼が語るように、これまで歩んでいた道やこれから歩んでいくための意思を示すリリックは、しなやかなフロウでバックトラックに乗っていく。フックに聴かせるローと印象的なハイも聴きどころの名刺代わりのトラックだ。
渋谷・新宿・代官山・目黒、幕張メッセなど都内を中心に、様々な場所でiPadやiPhoneをフルに活用したパフォーマンスでフロアを盛り上げるSHEARTは、作詞/作曲、DJ、レコーディング、マスタリングからパッケージング、販売や広報などの営業活動まで全て一人でするというマルチラッパー。
自身のプロデュースだけでなく、もう一つの顔「奇道ぱーぷる」として妹系アイドルユニット「D-si☆’s」の総合楽曲のプロデューサーを務めたり、声優ユニット「Rainbow Wings」に提供した楽曲『花蝶風月 ~蝶ガ一輪ノ華ニ舞フ~』では、着うたフル配信サイトのオリコンスタイルフルでデイリーランキング19位を記録する。
また、奇道ぱーぷる名義初となるシングル『ダンスホールの夜明けが (feat. ziRVRha & SA-NON)』がiTunes Storeを始め、全世界111ヶ国で配信されるなど、話題が尽きない。
それだけ幅広く活動していても“中央を成す軸にちゃんと立つ”SHEARTのスタイルは、日本のラップミュージックシーンをしなやかに駆け上がって行く。(津田 聖治)
【SHEART】
1989年7月21月生まれ、千葉県松戸市育ち。デビューシングル『スタイル!』は全世界111ヶ国で配信、Amazon mp3ヒップホップカテゴリでは1位、J-POPカテゴリでも8位を記録した。『ニコニコ動画』で初のラップ作品『やらないかなんてけしからん』は約4万再生を記録、制作に携わった動画の平均再生数は1万回を超える「ニコラップのパイオニア」。また、楽曲プロデューサーの顔として「奇道ぱーぷる」も活動中。