俳優・村上弘明（57）が8日、東京・丸の内東映1で行われた映画『偉大なる、しゅららぼん』（監督：水落豊／配給：東映、アスミック・エース）の初日舞台あいさつに、俳優・岡田将生（24）、濱田岳（25）、女優の“深キョン”こと深田恭子（31）、貫地谷しほり（28）、俳優・佐野史郎（59）、女優・大野いと（18）、アイドルグループ『私立恵比寿中学』の柏木ひなた（14）、水落監督らとともに登場した。
同作品は、『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』『プリンセストヨトミ』など、奇想天外なストーリーで知られる万城目学氏による長編小説の映画化。“マキメワールド”といわれる摩訶不思議な世界の今回の舞台は、琵琶湖畔の街・石走。
琵琶湖から授かった特別な力を操る、日出家と棗（なつめ）家。1300年の長きにわたる因縁関係にある両家。生きる伝説と呼ばれ自他ともに「殿」と呼ばれている本家の跡取り息子・日出涼介（濱田岳）が、速水沙月（大野いと）に失恋。しかも速水が思いを寄せているのが、棗家の跡取り息子で淡十郎と同級生の棗広海（渡辺大）。この小さな失恋の腹いせがキッカケとなり、世界を滅ぼしかねない大事件に発展していく・・・・
石走高校の校長先生で沙月の父である速水義治役の村上弘明は、「今日は非常に寒かったんですけど、舞台に立ってみなさんといて熱くなりました。いいあいさつでしょ」と、自画自賛。
続いて、「久々の悪役で楽しませていただきました。若い人たちは、気のいい人たちで、若いのにしっかりあいさつするし、年寄りを大事にしてくれるので、僕も佐野（史郎）さんもやりやすかった。濱田くんも本島に腰が低くビックリました」と、最後は濱田の身長とかけたのかは疑問だが、スタートから独自のワールドが！
撮影中の思い出として、「僕1回しか（濱田と岡田の食事に）呼ばれてないんですよ。話を聞くと濱田君と岡田君は毎日行っている。朝から晩までずっと撮影しているのに、（その後も）一緒に行くから、なんか疑っちゃったんですけど（笑）。たまには俺も連れて行ってくれといったら、しぶしぶ、一回だけ合同で食事しました」と、濱田と岡田の仲の良さを引き合いに出しながら語る。
これではまだ終わらず、「ただ、接点があまりないので、何話していいかわからない。合間合間にシーンとした間が。それでも楽しい食事会だったんですけど、岡田君とは一回、番組でいっしょにやっている。ちょこっとだけ。当たった番組で。それが頼みの綱だったんですけど。
まだまだ話は続く。「佐野さんとは、近江八幡でのときに、『知られざる日本の面影』というラフカディオ・ハーン（小泉八雲）が書いた鳥取県の昔の話について、ちょっと話かけたら、延々としゃべり続け、本番直前まで延々しゃべり続けているんで、まずいなぁ、語りかけるんじゃなかったなぁと。でも、いろいろ教えてもらいました」と、ようやく初めのあいさつが終わる。
当然ながら、映画のストーリーにちなみ「共演者の中で不思議な人は誰か」を聞かれた佐野史郎は、「みなさんお気づきだと思うんですけど、村上さんですよ。どう考えてもダントツですよ」というと、観客も何となく納得。
ひとり納得いかないのは村上で、「それは佐野さんだけだよ」と、爽やかに大きな声で言う。佐野も「俺だけ？」と、周りを見渡すと、「ズルいよマサオ」と、岡田将生に聞くと、「思ってました」と、先輩俳優に対して言いづらそうに言うと、村上は、「どこが？」と、まだ納得していない様子。岡田は、「全体的に不思議です」と、キッパリ。
佐野は、「（村上と）同年代ですし、クラスに一人か二人いるような不思議な人。でも、優等生な感じしますね」と、イメージを伝える。
その村上は、「みなさん不思議な人です。柏木ひなたさんけっこう不思議ですよね。しゃべり口調とか」と、いうと、「これは褒めるんだけど」といって、また、独演会に。
「日出家にいって（濱田岳を）倒すタイミングがあるんだよね。（濱田の）触ってから崩れ落ちるタイミング、間がすばらしかったね。時代劇の立ち回りやってて、斬られ役の人が大変なんですよ。早すぎても遅すぎてもいけない」というと、懐から扇子を持ち出す。
「そのために扇子持ってきてるんだけど」と言うと、刀に見立て、「スッと切られた時の、崩れ方がレイコンマ何秒の世界なんだけど、（濱田は）テストから本番まで同じタイミング。すばらしいタイミングなんです。これは教えてできることじゃないんでよね。本人のセンスなんだよ。わかる？センス。これを言うために持ってきた」と、悦に入っている。
佐野は、「だから説明するまでもないでしょ」と、一言。会場全員がおそらく納得したであろう「村上弘明は不思議な人」だった。
ちなみに褒められた濱田は、「持って生まれたもんですかねぇ。センスですよ」と、追随した。
イベントでは、琵琶湖から不思議なパワーを授かる日出家と棗（なつめ）家が争うストーリーにちなみ、“鏡開き”ならぬ琵琶湖のご神水の“水開き”でヒット祈願が行われた。
同映画は大ヒット公開中
