俳優・綾野剛(32)が今年7月7日から東京・渋谷Bunkamuraシアターコクーンで上演される演出家・蜷川幸雄が手がける近未来SF舞台『太陽2068』を主演することが28日、分かった。
Bunkamura25周年公演の第5弾となり、第1弾は現在上演中の舞台『冬眠する熊に添い寝してごらん』(http://japan-newslounge.com/archives/110371)で『KAT-TUN』の上田竜也(30)らが熱演を見せている。本作では蜷川氏は、2012年の『太陽』で第63回読売文学賞、第19回読売演劇大賞・大賞を受賞し、歌舞伎などの多ジャンルに精力的に活躍の場を広げる劇作家・前川知大と初タッグを組むこととなった。
昼と夜に、別れてしまった未来。バイオテロにより拡散したウイルスにより、若く強い肉体を長く維持し、高い知能を得た反面、紫外線に弱く太陽光の下では活動できない『ノクス』と呼ばれる変異した人間と普通の人間(キュリオ)が共存する社会。キュリオとして貧困の中で育ちノクスに憧れる奥寺鉄彦を綾野が演じる。綾野が蜷川氏の舞台に出演するのは初となり、いきなりの初主演と大抜てきとなった。
蜷川氏は、「綾野さんとは、前からずっと仕事をしたいと思っていて、やっと一緒に仕事ができて嬉しいです」と感想を寄せると、一方の綾野は、「9年前、私が、演出・蜷川幸雄さんの舞台を初めて観たのは『メディア』でした。その記憶が今でも鮮明で、衝撃が走ったことをよく覚えています。その頃を振り返りつつ、まさか自分が蜷川幸雄さんの演出作品に参加できる。正直言葉では足りません。それほど言葉になりませんでした」と、念願かなってのものと口にする。
初となる蜷川氏の演出について、綾野は、「気負うことなく懐に飛び込みたい。蜷川幸雄さんの演出を通し、全てを吸収し、全てを盗み、芯の底から体現できるよう挑ませて頂きます」と、謙虚な姿勢で臨むよう。
また、ノクスとして生まれながらキュリオに理解を示す森繁富士太は、2007年に舞台『お気に召すまま』以来7年ぶりに蜷川氏の作品に戻ってくる俳優・成宮寛貴(31)。「これからも、俳優という仕事をしていく上で、2014年は舞台をやろうと決め、作品探しをしていた時でした。これだ!という作品に出会えたと思っています」と手応えを感じているようで、「今回の作品で綾野君と僕は、月と太陽という関係で、時に、命をかけた友情が問われる作品です。共演者のみなさんと、生命力を感じてもらえる芝居ができるか、期待と、不安どちらもありますが、生き生きと舞台に立ちたいです」と、誓っている。
さらに、鉄彦と同じキュリオとして生きる生田結を元『AKB48』の前田敦子(22)が演じ、初舞台を踏むこととなったが、「出演のお話をいただいたとき、まずは『二つ返事でお受けしてはいけないな』と思いました。蜷川さんの舞台経験者の先輩にもいろいろお話は聞き、やらせていただこうと決意しました」と、そのときの心情を振り返り、初めて蜷川演出を受けるにあたっては「優しくても厳しくても大丈夫です。とにかく楽しみたいです。蜷川さんに素直に身をあずけます」と、コメントしている。
そんな2人対し、綾野からは、「成宮寛貴さんは蜷川組のご経験者ですし、胸を借りてご一緒できればと。大変心強いです。前田敦子さんは私と一緒で蜷川組が初めてですから、一緒に奮闘し挑み続けられれば幸いです」と、メッセージも寄せられた。
ほか、中嶋朋子、大石継太、横田栄司、山崎一、六平直政、伊藤蘭らといった、そうそうたる面々が名を連ねている。
舞台『太陽2068(ニー ゼロ ロク ハチ)』は7月7日から8月3日までBunkamuraシアターコクーンにて上演!