七変化音楽劇『有頂天家族』(脚本・演出:松村武)公開ゲネプロが16日、東京・下北沢の本多劇場で開かれ、俳優・武田航平、渡辺大輔、藤原薫、樹里咲穂、元『モーニング娘。』の7代目リーダーの新垣里沙らが本番を直前に迎え熱演を見せた。
人気作家・森見登美彦が2007年に刊行した同名作が原作で、昨年7月にはテレビアニメ化(関連記事:http://japan-newslounge.com/archives/83062)もされた作品。今は亡き父狸・下鴨総一郎の血を濃く受け継ぎ「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎(武田)は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を一族の誇りにかけ駆け巡る。そんななかでも、複雑に絡み合う愛憎、そして家族愛などが描かれるという現実とファンタジーが入り混じり融合した作品となる。
舞台は森見ワールドを表現するため、文学的要素をふんだんに取り入れており、主演の武田を筆頭にキャスト全員がひたすらにしゃべり倒す!そうして醸成されたテンポの中に、歌ありダンスあり、さらには早着替えありと、目まぐるしく物語が展開されてゆく。
主演の武田は森見氏原作で松村氏演出の2012年の青春音楽活劇『詭弁・走れメロス』にも出演していただけあり、怒涛のセリフ量にも、果敢に挑む姿が観られたり、“テニミュ”の愛称で親しまれるミュージカル『テニスの王子様』や最近でもLIVING ADV「STEINS;GATE」の岡部倫太郎役を主演するなど舞台経験豊富な渡辺が存在感を見せる。
さらには、新垣も武田と息を合わせドレス姿でダンスパフォーマンスや、歌唱、“七変化音楽劇”が現すような、数回の衣装替えなど目を引くもので、かつ、海星の声でツンデレ具合な演技を披露するなど、見ていて元気がもらえる仕上がりとなっている。
七変化音楽劇『有頂天家族』は16日から26日まで本多劇場で、京都・京都劇場では2月8日に上演される。
※新垣里沙写真メインはこちら(http://japan-newslounge.com/archives/111475)の記事でお楽しみください。
■キャスト
下鴨矢三郎:武田航平
下鴨矢一郎:渡辺大輔
下鴨矢四郎:藤原薫
母:樹里咲穂
赤玉先生(如意ヶ嶽薬師坊):久保酎吉
弁天(鈴木聡美):佐藤美貴
少女に化けた矢三郎/海星:新垣里沙
成清正紀(KAKUTA)
奥田努(劇団STUDIO LIFE)
小手伸也(innerchild)
小林至
■STORY
京都・糺ノ森に住む狸の下鴨一家。
宝塚歌劇を熱愛する母狸。生真面目だが土壇場に弱い長兄、蛙に化けて狸に戻れなくなり井戸暮らしの次兄、面白く暮らす主義の三男、化けてもつい尻尾を出すが携帯の充電ができる末弟。
さらに、落ちぶれてアパート暮らしの天狗・赤玉先生。赤玉先生を追いやった鞍馬天狗たち。天狗を袖にし空を自在に飛び回る半天狗の美女・弁天。敵対する意味不明な四文字熟語が好きな兄弟・金閣と銀閣、姿を現さない元許婚の海星など、愛すべきキャラ満載で巻き起こす奇想天外、荒唐無稽なファンタジー。