元『AKB48』の秋元才加（25）が13日、埼玉県内で主演映画『マンゴーと赤い車椅子』（監督：仲倉重郎／配給：アイエス・フィールド）撮影現場の一部を報道陣向けに公開した。
4階の自宅から転落し23歳で脊髄損傷となり下半身の感覚を失ってしまった看護師の宮園彩香（秋元）。自分が車イスでの生活となり看護する側から看護される側になった葛藤や、永遠の別れを経験し、精神が荒廃してしまった彩香だったが、リハビリセンターの仲間や、いつのまにか傍らにいた人への恋などを経験し、前向きに生きることを決意し進んでいくというヒューマンストーリー。この日は、タイトルの元となるマンゴーを育てながらも認知症気味の祖母・宮園勝子を演じる女優・三田佳子（72）とともに、ワンシーンの撮影に臨んだ。
快晴のもと、撮影が進められることに。ト書きには車イス姿の秋元と三田が並木道を一緒に歩いているという一行のみだったが、2人は監督と相談し、アドリブで仲睦まじい会話を交わしながら抱擁する演技で、祖母と孫という関係を現す様子を見せることとなった。
囲み会見も初主演作で三田という大女優と演技ができることに、秋元は「光栄です。たくさんの素晴らしいキャストの方がいるし、三田さんは祖母の役なので近くにいれるというのを感じで、学べることを学んでいきたいと思っています」と吸収するものが多いという。
本日、三田とは初顔合わせでの演技となったが、「おばあちゃん子だったので、最初のシーンが、おばあちゃんとの絆を描くシーンですっと入っていけました」と気負いはないそう。三田も「いまやってみましたけでど、十分大丈夫でした」と、手応えを語った。
仲倉監督は「『笑っていいとも！』で観ていてあのスッキリした子がいい」という希望から秋元をキャスティングしたそうだが、秋元は「まだまだです」と苦笑いしつつ、演技面について、「『AKB48』を卒業して初主演で、車イスで、普通に演技をするだけでも難しいと思うんですけど、リハビリセンターの方にお話を聴いたりしているんですけど、障害者の方と毎日『おはよう』ってあいさつをかわすのが楽しくて、お互いが歩み寄っているというか、共生している感じがしています」と、役に入り込めてきたという。
役作りに秋元の祖母が乗っているという車イスに乗ってみたそうだが「バリアフリーが市内とかだと少ないなと。見えない段差でも気になるし、車の乗り降りも気になるということに気づきました」という。自身が乗ってみて、苦労している点については、「段差のあるところがあるんですけど、腕だけで、足を使わずに段差を越えるときは、筋力を使って、次の日に筋肉痛になったりしています」といい、筋トレなどをしていたことが、役に立っているそうだ。
ほかにも、今年1年を振り返ってもらうと、「25歳で人生の中でも忘れられない年になりました。卒業で1つの区切りになりました。やり残したことはないです」と、しみじみ語る秋元。今年の漢字を1字挙げてもらうと、「『始』ですね。『AKB48』にいたときとはまた違った秋元才加を観てもらえる機会が増えました。1つ1つがつながっているなというのを感じています」と、前を向いていた。
また、三田へ『AKB48』について質問が飛んだが「最初はわけがわからないと思っていたんですけど…」と、告白。それでも、2011年のAKB紅白歌合戦で審査員を務めたことがきっかけで、「まともに1から10まで過去のライブとかを観たんです。そうしたら世の中の人が一生懸命になる理由があるグループだと認識できましたね。それからは分かりました。遠くから見ていると、ワーワー言われているだけかと思っていたら、まともに見たら、ファンの方との親密さとか、時代が生み出したアイドルという認識をしました」といい、秋元へは「そういうところを卒業してきて才能を持っている彼女ですから、良い芝居をやってくれると思っています」と、期待を寄せていた。
本作は2014年秋に公開予定！
