『東京ゲームショウ2013』内のバンダイナムコゲームスブースで20日、映画『ショート・ピース』プロジェクト第5弾となる『月極蘭子のいちばん長い日』スペシャルステージが開催され、映像作家の大友克洋監督(58)らが登場した。
アニメーション映画『AKIRA』の大友監督が日本のトップアニメーターを集結させ“日本”をテーマに“固有の文化”、“歴史”、“サブカルチャー”、“未来”を描いた4つのショートストーリーを4人の監督で手がけた劇場映画『ショート・ピース』。そのプロジェクト展開の一環で、PlayStation3ゲームとして『月極蘭子のいちばん長い日』が制作されていることが発表となった。
発表会ではまずは、映画『ショート・ピース』を振り返る大友監督は「CGと手描きを上手く合わせるというのを考えた」と、思いを語り、今後については、「2020年のオリンピック前には1本くらい作りたい」というとバンダイナムコゲームスの浅沼誠プロデューサーから「3本くらい作ってください!」と詰め寄られ苦笑いを浮かべることも。
その後、『月極蘭子のいちばん長い日』の説明がなされ、 テーマは現代日本。“現代日本文化”を象徴するような独特のシナリオとビジュアルの世界観をゲームで表現することとなることや、主人公・月極蘭子は昼はどこにでもいる生意気な女子高生だが、夜は与えられた標的を暗殺するヒットマン。日本の月極駐車場を牛耳る地下財閥の『月極エンタープライズ』の1人娘という設定が明かされた。
シナリオを担当したグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏とバンダイナムコゲームスの内山大輔プロデューサーが登壇し、ゲームの説明を始める。映画『ショート・ピース』という作品は16世紀から近未来までを描いているが、途中に現代がなかったため、本作が現代を舞台にしたとコンセプトが明かされることに。
さらに、キャラクターボイスは声優・鈴村健一と内田真礼が務めることが発表。2人だけでそれぞれ男性キャラクターすべてと、女性キャラクターすべての声を当てるといい、関係者に話を聞くと詳細はまだ明かせないとのことだったが、それぞれ10役前後は演じそうな様子を見せることも。
この決定に、ビデオレターを通じてそれぞれメッセージを寄せ、鈴村は「作品の男性キャラクターを1人で演じて、中にはすごいキャラクターもいて、自分の中にある引き出しを全部引き出さないとできないキャラクターがいました。幅広いキャラクターができたのでビックリするぐらいでした。今の日本でなかなか作れないソリッドなものになっていると思います」と、本作への思いを。
一方の内田は、「遊んでもらわないと伝わらないというのはあるんですが、蘭子が普通のところというのはあまり出てきません。ゲームを遊んでいる時間の中で蘭子のいろんな一面を観てほしい。ドキドキ・ワクワクが止まらない作品です」とメッセージを寄せた。
これに須田氏は、「収録が長くて、鈴村さんが怒るんじゃないかと思うくらいでしたが、完成したものを見た時に褒めてもらいました」と、エピソードを語ることも。
また本作ができたことから、キービジュアルも一新されることとなったが、大友監督は、「失われたピースがはまったかなと、アニメーションともどもゲームの方も楽しんでやっていただければ」と、思いを語りその場を後にしていた。
映画『ショート・ピース』は2014年1月16日にBlu-ray通常版は6090円で、DVD通常版5040円でBlu-rayスペシャルエディションは1万290円で発売を予定しており、PlayStation3用ゲーム『月極蘭子のいちばん長い日』は2014年1月16日に6980円(それぞれ税込)で発売!