
アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 第三章・果てしなき航海』(総監督:出渕裕/配給:松竹)初日舞台あいさつが13日、東京・新宿ピカデリーで開かれデスラー総統役・山寺宏一、ヒス副総統・秋元羊介、出渕総監督が登壇した。
38年ぶりに現代風リメイクを果たし、今年4月に第一章、7月には第二章と全七章立てで“航海”を始めた宇宙戦艦ヤマト。本章では太陽圏の外縁部に到達したヤマトのクルーたちの地球との最後の交信を通じて人間ドラマやオリジナルストーリーを通して、アナライザーやガミラス軍人にもさまざまなタイプがいることを見せ、物語に深みを与えている。
登壇すると、山寺が出渕に「原稿を」といきなりデスラー総統口調で始め、出渕総監督が献上しガミラス語で読み上げる演出も。出渕総監督が「ここにいるのは愚民なので…」と、世界観もたっぷりで笑いを誘ったり、山寺が、「とにかく私は、この作品は夫婦でお世話になってまして」と、妻で声優の田中理恵が出演していることに触れると、観客から「おめでとう!」と祝福する声が聞こえることも。

ずっとヤマトのファンで、2009年の『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』では古代進役も演じた山寺だが、今回はデスラー役ということに、「昔からファンで第一話からかかさず観てました。それで、デスラーでといわれて、そんなばかなと、別の作品でしたけど、絶対ネットで叩かれるからやりたくないと思ったんですけど、出渕さんがやられるんでしたらということで、無茶を覚悟でやらせて頂きました」という。
それでも出渕監督は、「若い総統は山寺さんしかいない。庵野秀明に行ったら『グー!』って言われました」とフォローし、「秋元さんのヒスは卑屈だけど渋い、独特の味があるのは秋元さんかなと想いました」と起用理由も。さらに、『機動武闘伝Gガンダム』やゲーム版の宇宙戦艦ヤマトでは山崎奨第二機関長を演じていた秋元がガミラス側だけに「古代も山崎もガミラスに寝返った」と語り、笑いを誘うこととなった。

第三章ではガミラスの閣僚をずらっと並ぶシーンがあり、なかでも若本規夫が決められた尺以上に気合の入ったアフレコをしていることに、先輩の秋元は「現場でもよく一緒ですけど年々特徴がひどくなって…。昔は素直ないい青年だったんだけど」と、場内は爆笑に包まれていた。
さらに、秋元が、「懐かしみながら仕事をさせてもらってます」というほどのベテラン声優の名前が並ぶが、出渕総監督は、「ガミラスチームをやっていると、音響監督は絶対ヤマト勝てないと言うんです。ヤマトの若手のキャストも勝てない。でも、ガミラスに勝てないと終わらないので」と、笑いながら希望を語ることとなった。

また、今後の展開については、出渕総監督が、「ヤマトってこういうアプローチでやるのができたんじゃないかなという部分で、当時といまとは違いますけど、ありえたんじゃないかなというのが脳内であります。いつか見てたような気がするシーン、昔あったような気分になるシーンを作りたい」と、心情を見せ、「ガミラスはまだ余裕です。何万隻という艦隊が出てくるんです。絶対的な物量で負けるはずがないのが負けるかもしれないというのをどういうふうに見せていけるかと思っています」と、思いを馳せていた。
最後に、山寺は、「昔あったものを作り直すのは難しいと思うんです。昔見てた人も新しい人も納得させるのは難しいと思うんですよ。みなさんがこうやって集まってくださって、僕自身も頑張らなくちゃと思ってプレッシシャーを感じながら、デスラーみたいに青い顔をしているんです。声は前の方がよかったと言われたくないし、頑張りつつ、精進していきたい。僕自身も厳しい戦いになってくると思うので、あれだけの強者どもの部下をかかえているので戦うつもりで声を入れていきたい」と、前を向いていた。
降壇時には観客がガミラス式の敬礼で3人を送り出す演出がなされ、3人ははにかみながらその場を後にした。
アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 第三章・果てしなき航海』は公開中!なお、アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 第四章・銀河辺境の攻防』は2013年1月12日より上映開始!











