両備システムズ、ラオスにおけるデジタルIDの調査事業を完了、デジタルID基盤構築に向けた計画案を提示

株式会社両備システムズは(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:松田 敏之、以下 当社)は、日本の総務省による「ラオス人民民主共和国におけるデジタルIDソリューションの導入に関する調査の請負」プロジェクト(以下 本プロジェクト)を、2024(令和6)年3月29日に完了しました。本プロジェクトでは、ラオスにおいて日本のデジタルIDソリューションの適用の可能性や有効性を検証すべく、各種IDの基礎調査、課題等を整理し、ラオスに適したシステム仕様の検討、現地実装案の検討を実施しました。

両備システムズ、ラオスにおけるデジタルIDの調査事業を完了

■背景

ラオスでは、住民管理、土地管理、車両管理等の様々な行政システムは、ICTプラットフォームの連携がとれておらず、国民の行政手続きが煩雑となっています。そのため、統一的な国民IDを整備し、これを基盤としたICTプラットフォームにより各サービスを連携させる、デジタルID基盤構築のニーズが高まっています。

わが国は、「総務省海外展開行動計画2025」(※1)の中で、「国・地域の特性に応じた展開・連携方針」として、東南アジアでの展開・連携方針の一つに、「ASESAN全体でのデジタル政策を俯瞰する『ASEANデジタルマスタープラン2025(以下 同プラン)』を踏まえた協力の実施」を掲げています。

同プランでは、ASEAN域内における電子政府サービスを相互利用するためのデジタル基盤構築が目標の一つとして掲げられています。

ラオスが前述のデジタルID基盤を構築する上においても、個人認証レベルや信頼性の確保については将来の国際基準を満たすレベルで構築されることが望ましく、日本で構築中である最新の技術を用いたデジタルID基盤を、ラオスにおける各行政サービスの連携のためのデジタルID基盤構築に適用可能であるか、適用する場合はどのようなシステム構成が適切であるか等について調査を進めるため、「ラオス人民民主共和国におけるデジタルIDソリューションの導入に関する調査の請負」事業を実施しました。

当社は、2019年1月、「ICTでラオスの国を豊かに」というスローガンを掲げて、ラオス現地法人Ryobi Lao Co,. Ltd.(本社:Vientiane Capital、President&CEO:Toshiyuki Matsuda、以下 Ryobi Lao)を設立しています。また、デジタルID関連領域においては、2022年1月より、マイナンバーカードを活用したデジタルIDソリューション「xID(クロスアイディー)」を提供するxID株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:日下 光)と業務提携し、日本国内において、マイナンバーに関するソリューションを協力して提供してまいりました。

今回、日本の技術でラオスにデジタルIDを導入することが可能であるか調査し、将来的に日本のデジタルIDソリューション技術のグローバル展開の実現のため応募し、本事業を受託いたしました。

(※1)総務省「海外展開行動計画2025」概要

URL: https://www.soumu.go.jp/main_content/000826693.pdf

■調査事業報告について

1. 調査期間

2023年8月~2024年3月(約8ヶ月)

2. 調査方法

各省庁12機関へのインタビューを実施、合計300以上の回答を元に分析。

3. 調査内容

ラオスにおけるデジタルIDの普及可能性や有効性を調査すべく、(1)~(4)の項目を実施しました。

(1)ラオスにおける各種IDの基礎調査

ラオスにおける各種ID(国民・住民の管理、運転免許、健康保健等の社会保障等)に関する基礎調査。

(2)特定した課題に対するデジタルID基盤を活用した解決策の検討

ラオスにおけるID連携、行政サービス提供に関する課題特定と、デジタルID基盤を用いた解決策検討。

(3)デジタルID基盤及びソリューションのシステム仕様書検討

デジタルID基盤及びソリューションのラオスの状況に合わせた仕様書を検討。

(4)現地実装に向けた検討

検討したデジタル基盤及びIDソリューションのラオス国での実装に向けた計画書の作成。

4. 調査結果

日本では各自治体の持つ住民基本台帳を元にIDを発行していますが、ラオスにおいては、住民基本台帳の元となる情報が誤って登録されている場合があることや、手続きがデジタル化されておらず、偽造、なりすましの危険性があるため、高信頼のIDが必要なことが明確となりました。そのため本人認証のためのデジタルID基盤を実現し、各種手続きのデジタル化を実現することで、地域格差等を改善することができると結論をまとめています。

また、実装については最終的な運用を想定し、ラオス政府の主体的な体制構築等が重要であると結論をまとめています。

調査結果まとめ図

■今後の展望

ラオスにおいてデジタルIDを展開するには、法整備や事業収益に関する取組、デジタルに関する教育が必要となります。ただし、デジタルIDを実装することで、ラオスでは各省庁の行政サービス、民間サービスの向上と経済発展に繋がると考えられます。また、実装に際しては、ラオス政府が主導し推進することが必要であり、自国の将来を見据えた省庁横断の協力体制を築くことが重要になります。

【株式会社両備システムズ 会社概要】

社名       : 株式会社両備システムズ

本社所在地    : 岡山県岡山市北区下石井二丁目10-12

           杜の街グレースオフィススクエア4階

代表者      : 代表取締役社長 松田 敏之

設立       : 1969年12月

資本金      : 3億円

事業内容     : 公共、医療、社会保障分野および民間企業向け

           情報サービスの提供(システム構築、アウトソーシング事業)、

           ソフトウェア開発、データセンター事業、

           ネットワーク構築サービス、セキュリティ事業、

           ハードウェア販売および保守サービス、

           AI・IoTなど先端技術研究開発

コーポレートサイト: https://www.ryobi.co.jp/

【Ryobi Lao Co,. Ltd. 会社概要】

社名       : Ryobi Lao Co,. Ltd.(リョウビ ラオ)

本社所在地    : 6th Floor, Vieng Vang Tower,

           Bourichanh Road, Dongpalan Thong Village,

           Sisattanak District, Vientiane Capital, Lao P.D.R.

代表者      : President&CEO 松田 敏之

設立       : 2019年1月

資本金      : 100億KIP (両備システムズ 出資比率 79.37%)

事業内容     : ソフトウェア開発、

           BPOサービス、

           情報システムサービス

コーポレートサイト: https://www.ryobilao.com/

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