モデルで女優の松本莉緒(32)が19日、都内で11月20日の「世界こどもの日」を前に、国際NGO『ワールド・ビジョン・ジャパン』(以下、WVJ)が主催した、「子どもの権利条約」25周年を記念して行われた映画『世界の果ての通学路』無料上映会に登場した。
松本は、「周りの人からもらった愛情や喜びを、社会に恩返ししたい」と、国際NGO『WVJ』を通じて、2年前にカンボジアの女の子のチャイルド・スポンサーとなり、支援と交流を続けている。そのことから、今回、スへペシャルゲストとして上映会冒頭に登壇した。
松本が支援しているチャイルドは、ロエヴちゃんという9才のカンボジアの女の子。首都プノンペンから北の方に350キロ離れた、隣のタイ国境に近く、安全な水の確保が難しい地域だという。
チャイルド・スポンサーの子どもたちは、交通事情が悪かったり、病院、学校、電気・水道がなかったり、20キロ以上歩いて学校に通うなど、非常に厳しい条件の地域に生活しているという。
それを聞いた松本は、「日本がとても平和なので、別世界といいますか、(日本からカンボジアまで)6~7時間といども環境の差が激しすぎて、同じ世界なのか。私たちの地球にある国なのかと信じられない。環境が公平に平等になるように努力していかないといけないなと思います」と、神妙な面持ち。
国際NGO『WVJ』では、遠くでずいぶん離れた環境にいるという子どもたちを、少しでも身近に感じてもらえるように、単に寄付をするだけではなく、寄付が役に立っている地域に住むチャイルドを紹介していて、「つながりを感じながらお世話を続けていただければ」(スタッフ)と、願っているという。
アフリカだと、日本から12時間以上かかる場所もあり、松本が支援しているチャイルドのカンボジアでも6~7時間はかかるので、なかなか簡単には会いに行けない。そこで、手紙のやり取りというのが「スポンサー」にとっても「チャイルド」にとっても嬉しいという。
松本も、まだロエヴちゃんとは会ったことがないが、手紙のやり取りをしているそうで、「みなさんも子どもたちからの手紙が届くのがとっても楽しみなんじゃないかと思っております。最初はわたしたちが元気を与えたいと思っていたのが、だんだん子供たちからエネルギーのようなすごいパワーを持った手紙が届くのが、私もすごくうれしい」と、会場に集ったチャイルド・スポンサーの方たちに呼びかけて共有する。
国際NGO『WVJ』支援事業部スタッフの松岡拓也氏は、「チャイルド本人だけではなく、家族や友だちが楽しみにしている。住所もないような地域に日本から手紙が届くというのは、奇跡的なこと。実際に届いたスポンサーさんからの手紙を観た時に感動するし、つながってるんだなと感じます。子供によっては、大事にファイルにしまっている子もいます」と、現地での様子を説明されると、松本は、「宝物のように思っているんですね」と、笑顔。
それがもっともっと身近に感じられる、顔が見れるようなシステムが出来上がったという。ウェブ上で近くなれるマイページ『マイ・ワールド・ビジョン』だ。チャイルドの成長の写真、動画、近況などを見ることができ、その場で書けるEレターを送ることができる。
今日もチェックしてきたという松本は、「ロエヴちゃんの地域をチェックしてみたら、今日はカンボジアは30度だったんです。こんなに暑いんだぁと感じたり、彼女が住んでいる地域がどういう状況なのか垣間見られるので、親近感が湧いてとっても嬉しいです。満員電車の中でも見てほっこりできるようなシステムなので、ぜひかつようしてください」と、PR。
最後に「子供の権利25周年」に向けて、「いまお話していた“宝物”という存在は、私たちにとっては子供だと思うんですね。子供が未来を変えてくれると思う。今一度、私たち大人が、『子どもの権利条約』を理解し守って、伝えていかなければいけないと私は強く思います。温かい愛を持った子供たちが、将来どうやって私たちの夢、未来を作ってくれるのかほんとうに楽しみですし、愛のある子供たちを育てていくのがわたしたち大人の責任ではないでしょうか。今日の上映会、明日の『世界こどもの日』が、心に響いて、私たち大人がいま何をすべきか考えるいい機会になれば嬉しいなと思っております」と訴えていた。
子どもの基本的人権を国際的に守ることを目指して「子どもの権利条件」が国連で採択されたのが、25年前の11月20日。この条約は、「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」の4つを柱とし、子供の権利の保障と実現をうたっている。採択された11月20日は、子供たちが愛され、互いに理解し合い、社会的に守られる世界の実現を目指して活動する日として「世界子どもの日」に制定されており、今年で25周年を迎える。
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