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AKB総合プロデューサー秋元康氏×ポン・ジュノ監督 エンターテインメント論を語る!

AKB総合プロデューサー秋元康氏×ポン・ジュノ監督 エンターテインメント論を語る!
左からポン・ジュノ監督、秋元氏

 2月7日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショーの映画『スノーピアサー』(配給:ビターズエンド、KADOKAWA)のメガホンを取った韓国出身のポン・ジュノ監督(44)と、『AKB48』の総合プロデューサーで作詞家の秋元康氏(57)が1月末に初対面し、対談を行った。

 『スノーピアサー』は、フランスのコミック『LETRANCEPERCENEIGE』を原作とし、アクション、ドラマ、サスペンス、哲学などあらゆる要素が絶妙なバランスで盛り込まれた近未来SFエンターテインメント。秋元氏は、「映画というのは、どれだけ非日常を描けるかが勝負だと思うんです。ずっとテレビの仕事をしてきましたが、テレビと映画の違いはそこですよね。テレビで非日常の世界に入り込もうとしても、例えば電話が鳴ったり、届け物が来たりして、なかなか入り込めません」としながらも、「でも映画は、自分から騙されようと思って映画館の中に入ります。『スノーピアサー』は、そんな非日常の世界にぐんぐん引き込まれていく面白さがありました」と、同作を絶賛する。

 これを受け、ポン・ジュノ監督は「今、秋元さんがおっしゃったことはSF映画の魅力でもあると思います。観客が作品と、日常と異なる世界に入り込む約束をして、そこへ飛び込んでいく。僕がこの映画を撮った理由も、その面白さにありました」と返答し、秋元氏は「感心したのは、あまり説明しすぎていないところ。どんなシチュエーションの中を列車が走っているか、たいていは最初にテロップを出して、その設定を説明します。でも、この映画は、それがストーリーの中に盛り込まれていて、次第に明らかになっていく。僕はその度に『そういうことなのか!』と驚いて、作品に引き込まれていきました」と、監督の手腕を称えた。

 さらに秋元氏は「僕が常に考えているのも、まず自分が面白いかどうか。他の誰かのために作っても、自分自身が面白くなければ、本当に面白いエンターテインメントはできません」と、自身が考えるエンターテインメントについて定義。続けて、「ポン監督の力量というのは、何よりストーリーを組み立てる腕力にありますよね。『次はどうなるんだろう?』『あ、あれが伏線だったのか!』と思わせて、随所にコミカルな要素を交えつつ、観客を最後まで飽きさせない。その力量は、本人が意識しなくとも、世界に通じるものだと思います」と語った。

 最後にポン・ジュノ監督は「確かにストーリーテリングは最も普遍的なものですね。誰にでも『話がしたい』『話を聞きたい』という欲求があって、それは国境や時代を越えるものなのかもしれません。ストーリーテリングを純粋に追求していけば、それがすなわち世界につながるということなのでしょうか。秋元さんとお話して、改めてその事実に気づきました」と、今回の対談実現を喜んだ。

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