アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 第六章・到達!大マゼラン』(総監督:出渕裕/配給:松竹)初日舞台あいさつが15日、東京・新宿ピカデリーで開かれ、ヤマト艦長の沖田十三役・菅生隆之、ガミラスの名将エルク・ドメル役・大塚明夫、出渕総監督が登場した。
38年ぶりに七章立て全26話で現代風リメイクを果たし、今年4月からのテレビアニメ放送も好調なヤマト。ラスト手前となる本章では、ヤマトとガミラスの艦隊率いるドメル将軍との激闘・死闘、本作への根源的な問いかけ、山寺宏一演じるデスラー総統の本格的な動きなど、フィナーレへ向けて激動する仕上がりとなっている。
ガミラス側の音楽が流れる中、3人が登壇。まずはドメルについて尋ねられた大塚は、「燃え尽きましたよね。真っ白になって。ウォーッと思いました。やっぱりいいですね。良い役やんないとつまらないですね」と、“完全燃焼”したと話す。
続けて大塚は、「本来ドメルってもうちょっとあんまり(37年前の)前作では書かれてなかったですよね。今回は厚みのある感じで嬉しくて、そういう役をやれるというのが一番幸せだなと。キャラクターに立体感があって、書かれてないところを無理に作ろうとすると、それがいらなかったりするのがあるので演じ甲斐のあるドメルでした。出渕さんには感謝しています」と、芯の通ったキャラに自身も満足しているようだった。
この大塚のキャスティングについて出渕総監督は、「男くさいキャラは今はあまりいないのですが、大塚さんにやってもらいたいと思っていました。4年くらい前に飲み屋でばったり会って、実はこういうのをやってまして、事務所を通さずにやってくださいって言って」とエピソードを話すと、大塚も、話が来た際に、「あの時出渕さん言ってたなって。飲み屋の席のことはあんまりならないことなんですけど」と、約束が守られたことにも感心しているようだった。
そんなやり取りをする2人に菅生は、自身のキャスティングを「飲み屋ではあんまり話なかったですけど」と、笑いながらからかいつつ、ドメルとの一騎打ちを、「最後のドメルとの戦いは2人でガチンコでぶつかって、いいものになったんじゃないかな」と、胸を張った。
印象的なシーンについて話題が向くと大塚は、「全員、退艦せよというところ」と明かすと、出渕総監督も、「グッと来ましたよね。『全員軍法会議送りですな』というのは」と、しみじみ。大塚は沖田についても言及し、「沖田という役はすごく難しいと思うんですよ。全部呑み込んで言うのは菅生さんクラスじゃないと。人間が滲んで出てきちゃうんです」と、称えつつ、「我が社の古代(進)も頑張ってますよね。いいことは本人には言いませんけど」と、同じ事務所で古代進を演じる小野大輔のこともしっかりアピール。
ほかにもお気に入りのシーンを大塚は、「『子どもと年寄りばっかりじゃないか』というところで、若い時そんなの引っかからなかったんですけど、引っかかる年になりましたね。グッときちゃうんですよ。ああいうシーン」とコメント。菅生も、「僕は命令してるか倒れちゃうのが多いのですが(笑)。良いシーン、良いセリフは監督にたくさん盛り込んでいただいて、『機器は人の力だ』とかって、波動砲まであるのに人の目だ人の力だという沖田の自信というか、これまで自分の部下が死んでいてなおかつ前に行かなきゃいけない、そういうにおいが出せたらいいなと」と、話していた。
また、ガミラス側のアフレコについて、ベテラン勢がそろい踏みなため大塚は、「みなさん大人なので好き勝手にいる感じですね。若い方は病院の待合室みたいになってた」と、明かし笑いを誘っていた。
菅生から、「気合入れて若いものを引っ張りながらいい、残っていく作品、良い作品になるように頑張ります」と気合を入れなおすと、大塚は、「ドメル果ててしまいましたが、ヤマトが見事目的を果たせるかどうか最後まで見届けてください。それがドメルに対しての供養にもなると思います」と、しっかりPR。
最後に出渕総監督は、「理想の沖田とドメルの戦いを描けたので感無量です」と言いつつ、今動いているプロジェクトについて、「最終章用に新曲を9曲録りました。9曲あるとアルバムも3までになる。とりあえずそれで新曲をいくつか。『帝都防衛戦』とか『再会』みたいなとか。懐かしい曲もあり新曲もあり、そういう感じでちょっとサプライズな。まだ録音して使ってない曲もあるんです。昔からのヤマトの曲とか、デスラーが“撃つ”んだからこの曲だろうというのもあって隠し球があるので」と、ニヤリと話していた。
アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 第六章・到達!大マゼラン』は15日より全国16館にて2週間限定上映!さらに、アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 第七章・そして艦は行く』は8月24日上映開始!