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田原総一朗テレビでの拉致被害者発言に100万円賠償命令

 ジャーナリスト・田原総一朗(77)のテレビ番組での発言に精神的苦痛を受けたとして、北朝鮮拉致被害者の有本恵子さんの両親が慰謝料を求めた訴訟で、4日、神戸地裁は訴えを認め100万円の慰謝料を支払うよう命じた。

 田原は今年6月の本人尋問で、有本さんの生死の真相は分からないとしたうえで、「(取材結果から)外務省が亡くなっていることを前提に交渉しているのは事実」と、強調していた。

 5日付のサンケイスポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知、東京中日スポーツ各紙が報じており、田原が発言の根拠とした取材テープについては、地裁の提出命令が取り消され確定することに。母の嘉代子さんは、「テープの全容が明らかになれば、安否の新情報が少しでも分かるかもしれないと思い、期待を寄せていたのに、残念だった」と、振り返った。

 長井浩一裁判長は、「発言は具体的で断定的。一般視聴者にとり、外務省が有本さんの死亡を認識しているのは事実という印象を与えた」と、認定している。

 田原はこの判決に、「私の発言が、有本さんご夫妻の娘さんに対する思いを傷つけたことについては申し訳なく思っている」としながらも、「民主主義社会においてはジャーナリストや報道機関が、外交や政治などの問題について自由に意見を言えることが不可欠。この点を十分理解していない本判決には納得できない」と、コメントしている。

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