NO IMAGE

永作博美 キネ旬主演女優賞受賞!撮影&子育て「大変でした」

kinema_12
主演女優賞の永作

 『2011年 第85回 キネマ旬報ベスト・テン』表彰式が4日、都内で行われ、女優・永作博美(41)、小池栄子(31)、忽那汐里(19)、俳優・松坂桃李(23)、でんでん(62)らが出席した。

 1917年に創刊された『キネマ旬報』の編集同人が、大正13年(1924年)に創設した『キネマ旬報ベスト・テン』。米国・アカデミー賞のオスカー像の3.9キロより重い、5キロのトロフィーが各賞受賞者に贈呈され、表彰式に華を添えた。

 『八日目の蝉』で主演女優賞を受賞した永作は、出演中のドラマ『ダーティー・ママ!』(日本テレビ系)でお馴染みのパーマのヘアスタイルと、ミニワンピ姿で颯爽と登場。「歴史ある『キネマ旬報』さんの主演女優賞をいただけるとは、本当にびっくりしました」と受賞に感激し、「役者は平面の台本から三次元の立体的な人間に作っていくのは、心細いもの。『八日目の蝉』は、とにかく周りの人に助けられた。小池さんをはじめ、みなさん役を立って背負ってらっしゃいました。しっかりぶつけられて、本当に助かった」と、共演者やスタッフに感謝する。

kinema_05
女優業と子育てに奮闘

 2010年5月、第1子となる男児を出産した後に『八日目の蝉』は撮影され、なんと奪った子供を育てるという役どころ。子育てもやりつつ、そんな役を演じたハードな日々を「いまから思えば、現場に行っても、家に帰っても、心休まるときがなかったです。実生活の子育ても初めてで、大変でした」と振り返った。

 同作品で助演女優賞を受賞し、「『嬉しい! 嬉しい! 嬉しい!』と叫んだ」という小池は、知らせを聞いて、思わず泣いたそうだが、成島出監督から「申し訳ない。頑張ってくれたけど、小池さん賞獲れてないね」と電話のやり取りがあったことを明かす。小池は気丈に「監督、気にしないでください。賞のためにやっているわけではないので」と返答したそうだが、その数日後の知らせとあって、喜びもひとしお。「監督に恩返しができたかなという気持ちで、涙が出てきました」と、ここでも瞳を潤ませた。

 『少女たちの羅針盤』『マイ・バック・ページ』で、新人女優賞を受賞した忽那は、「新人賞をいただいた2作品は思い入れの強い作品。毎日悩みましたが、支えてくださったスタッフやキャストのみなさんに、心から感謝の気持ちを伝えたいです」と、初々しくコメント。

kinema_15
15人でフォトセッション

 『大鹿村騒動記』で主演男優賞の原田芳雄さん(享年71)に変わり、長女で女優の原田麻由(35)が代行。『1975年 第49回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞』時の原田さんの写真を見つめ、「芳雄だったら、ここでどんな挨拶をするんだろうと考えてましたが、やっぱり思い浮かばず…まさか私が主演男優賞を受け取るとは思いませんでした。本人は、喜んでいることだけは確かだと思います」と挨拶した。

 同作品で脚本賞を受賞した荒井晴彦(64)、阪本順治(53)だが、以前、『KT』という作品で大ゲンカをした経緯が。阪本が「芳雄さんと同年代じゃないけど、年齢が近い人に脚本をやってほしかった。飲むお店が一緒ということもあって、酔った勢いもあったんですけど、もう一度これをきっかけに仕事できればというのが本心でした」と照れくさそうに語り、場内の笑いを誘った。

 連載『立川志らくのシネマ徒然草』で、キネマ旬報読者賞を受賞した立川志らく(48)は、「上から読んでも、下から読んでも“談志が死んだ”ですけど、そのお情けでいただいた賞です。このトロフィーは、私の師匠・談志に捧げたいと思います」と、昨年死去した落語家・立川談志さん(享年75)をブラックジョークのネタに。

 なお、『一枚のハガキ』で日本映画作品賞を受賞した現役最年長映画監督の新藤兼人監督(99)も登壇し、会場を沸かせた。

 受賞作品、受賞者は以下の通り。

●日本映画作品賞…『一枚のハガキ』
●外国映画作品賞…『ゴーストライター』
●文化映画作品賞…『大丈夫。-小児科医・細谷亮太のコトバ-』
●監督賞…園子温(※日活プロデューサー・千葉善紀さんが代行)(『冷たい熱帯魚』『恋の罪』により)
●外国映画監督賞…王兵(※ムヴィオラ代表・武井みゆきさんが代行)(『無言歌』により)
●脚本賞…荒井晴彦、阪本順治(『大鹿村騒動記』により)
●主演女優賞…永作博美(『八日目の蝉』により)
●主演男優賞…原田芳雄(※原田麻由さんが代行)(『大鹿村騒動記』により)
●助演女優賞…小池栄子(『八日目の蝉』『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』により)
●助演男優賞…でんでん(『冷たい熱帯魚』により)
●新人女優賞…忽那汐里(『少女たちの羅針盤』『マイ・バック・ページ』により)
●新人男優賞…松坂桃李(『アントキノイノチ』『僕たちは世界を変えることができない。But we wanna build a school in Cambodia.』により)
●読者選出日本映画監督賞…成島出(『八日目の蝉』により)
●読者選出外国映画監督賞…ダーレン・アロノフスキー(※20世紀フォックス・河合要恵さんが代行)(『ブラック・スワン』により)
●キネマ旬報読者賞…立川志らく(連載『立川志らくのシネマ徒然草』により)

kinema_01
ミニワンピで登壇した永作
kinema_08
小池栄子
kinema_02
黒いドレスで魅了した小池
kinema_09
忽那汐里
kinema_10
松坂桃李
kinema_04
立川志らく
kinema_07
原田麻由
kinema_06
1975年当時の原田芳雄さん
kinema_03
確執から和解した荒井(左)と阪本
kinema_11
新藤兼人監督
kinema_13
左から永作、でんでん、忽那
kinema_14
左から松坂、小池、原田
広告