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3月に余命半年公表の入川保則さん力尽く…最期はありがとう

 末期の直腸がんで余命半年の宣告を受けていた俳優・入川保則(本名・鈴木安則)さんが24日、午後3時20分、入院中の神奈川県内の病院で亡くなった。72歳だった。25日付の東京中日スポーツ、サンケイスポーツ、スポーツ報知、日刊スポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツ各紙が報じている。

 入川さんは1950年代から『水戸黄門』、『部長刑事』などに出演し、名脇役として活躍。2010年にがんが発覚したが、延命治療を受けず、今年3月に余命半年であることを発表していた。

 死に対して、生前に葬儀の手配をするなど、その姿勢が話題となり、半生を振り返る本の執筆などを開始。公表から半年を超えた時期の、遺作映画『ビターコーヒーライフ』制作会見では、がんの進行が遅くなっていると、笑顔を見せ「あんまり死なないと、そのうち詐欺師って言われますね」と冗談を飛ばすほどだった。

 今月に入って体調が悪化。8日に病院内で転倒して左大腿骨を2ヶ所折ったが、医師が、「麻酔をして手術するのは危険」と判断し、経過を見守った。

 その後も体調は回復せず、23日には意識がなくなり、長男・正則氏だけが見守る中、息を引き取ったという。22日に正則氏が病室から帰宅する際に「帰るよ」と声をかけ、「ありがとう」と答えたのが最期の言葉だった。本人の希望通り、家族のみが参列する自主葬となり、1月にはお別れの会が開催される予定という。

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