落語家・桂歌丸(76)が16日、都内・新宿テアトルで行われたアニメ映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』(監督:宮地昌幸/配給:東京テアトル)舞台挨拶付き試写会にお笑いタレント・劇団ひとり(35)、歌手・Chara(44)、声優・寿美菜子(21)、宮野真守(みやのまもる、29)、作家・桜庭一樹(41)、宮地監督(36)とともに出席した。
滝沢馬琴による『南総里見八犬伝』を直木賞作家・桜庭一樹が新解釈して生まれた『伏 魔作・里見八犬伝』を原作にアレンジされた同作品が、いよいよ公開。江戸を舞台に、漁師の少女・浜路が、人と犬の血を引く『伏-ふせ-』と呼ばれる青年・信乃と出会い、ストーリーは展開される。
着物姿の歌丸や、ひとりの肩を借りながらヒザを痛めたCharaらキャストが登壇すると、場内から沸きあがるような拍手が発生！ アニメ声優初挑戦の歌丸は、「生まれて76年経ちますが、きょうぐらい緊張した日はありません」と挨拶し、マイクではなく、扇子のほうでしゃべろうとするなど、しっかり笑いをとった。
主人公の浜路役の寿は、「ボーイッシュに見えるけど、初めにPVを撮らせてもらったときに監督から『もっとかわいい女の子でいいですよ』とアドバイスをいただいた。それから本編収録までキープできるように役作りしました」と挨拶。
信乃役の宮野は、江戸をピンクの着物に赤いパンツで走り回る役柄について、「赤パンツはとても華やかでしたよ。何回か股を開いて、何か見えると思うので注目して観てください」とコメントして、場内を沸かせた。
主題歌の「蝶々結び」を歌っているCharaは、馬琴を口述筆記で支えるお路役で、声優としても出演。「江戸時代でも現代でも許されない恋がたくさんあると思うので、恋の歌を書きました」と、同曲について解説した。
滝沢馬琴役の歌丸は、このオファーがあったときに断ろうとしたことを明かし、「監督さんから『そばにつきっきりでご指導しますから』と言われましたので。大きな声では言えませんが、嫌々承諾しました」とチクリ。さらに「当日、本当に監督さんがそばで指導してくれたんですけど、男が男のそばに寄られても面白くない。もうちょっと離れてくれないかなと思っていた」と、毒舌で笑わせた。
しかし、本心は「監督さんの指導のおかげで、ようやく馬琴らしくなれたのでは。ただ、絵がもうちょっと若くてもいいんじゃないかな。物凄くいい勉強になりました」と明かし、「以前、ドラマで、やり直しでトラック21までいった。自分はいいけど、周りの俳優さんに迷惑がかかるから、その後ドラマで1回しかやったことなかった」と、アフレコの苦い思い出を語り、「声優さんにはまるでかないません！ 下手です。ただし、落語をしゃべらせれば、この連中で私が一番うまいと思います。落語家のアルバイトと思ってください。決して声優さんと比べないでください」と、観客に呼びかけた。
声優の出演も多く、アフレコの経験豊富なひとりは、「単純に出番が少なかったので、2時間ぐらいで終わった。あまりに順調にいったんで、ゴルフの打ちっぱなしに行っちゃった」と、現場でのエピソードを披露。自身の世四郎という役柄について、酒好き、女好きというキャラクターを作って現場に臨んだところ、「監督から『もっと普通にやってもらっていいですか』って言われて、けっこう恥ずかしかった」とぶっちゃけ、場内爆笑！
その後も「久々にスタジオジブリに対抗できる作品ができたんじゃないかな。べつに僕が作ったわけじゃないですけどね(笑)」と言い放ったひとり。以前、歌丸が司会を務める『笑点』(日本テレビ系、日曜・午後5時30分～)にも出演したことがあり、大先輩の歌丸を前に恐縮しきりだったが、囲みでは「歌丸師匠に僕がどうのこうの言える立場じゃないですけど、まあ、頑張ってました(笑)」と、きつめのジョークをかました。
報道陣に次回作について聞かれた歌丸だったが、「いい、遠慮しときます」と、声優2作目には消極的。だが、映画出演には「極悪人をやってみたい」と意欲を見せ、報道陣から同アニメについてなぞかけを振られるムチャぶりにも、「悪役とかけて、放送禁止用語を言ったときとときます。その心は…すぐきられます」とビシッと決めてみせ、報道陣から拍手を受ける。これには、なぞかけが浮かばなかった隣のひとりも「助かった～！」と胸をなでおろし、格の違いを見せつけられていた。
10月20日、テアトル新宿ほか全国ロードショー！
