NO IMAGE

作家の丸谷才一さん死去…村上春樹氏らの才能を後押し

 作家の丸谷才一(本名・根村才一)さんが13日午前、都内の病院で心不全のため死去した。87歳だった。

 丸谷さんは山形県出身。1968年、女性の自殺をめぐる男たちの葛藤を描いた『年の残り』で芥川賞を受賞した。その後も、人間の孤独を浮き彫りにした『たった一人の反乱』で谷崎潤一郎賞。女性新聞記者を主人公にした『女ざかり』はベストセラーになり、吉永小百合さん主演で映画化されるなどした。2011年は文化勲章を受章するなどしている。

 文学賞の選考委員としても活動し、村上春樹さんら新しい才能を後押し、早くから書評の重要性を唱え「質の高い読み物」としての書評文化の確立に貢献した。

 また、二十世紀文学を代表するアイルランドの作家ジェームズ・ジョイスの研究を続け、大作『ユリシーズ』の翻訳を手掛けた。09年、その集大成として、半自叙伝的小説「若い藝(げい)術家の肖像」の新訳を刊行するなどしている。

 14日付のサンケイスポーツ、スポーツニッポン、日刊スポーツ、スポーツ報知、デイリースポーツ各紙が報じており、葬儀・告別式は近親者のみで行うとのこと。後日、お別れの会を開く予定という。

広告