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【ロンドン五輪】競泳男子メドレーリレー銀メダル!「(北島)康介さん手ぶらで帰らすわけ行かない」

 ロンドンオリンピック大会9日目の4日、競泳は、男女最後の種目の「男子4×100mメドレーリレー」決勝が行われ、日本チームは背泳ぎ・入江陵介(=イトマン東進、22)、平泳ぎ・北島康介(=日本コカ・コーラ、29)、バタフライ・松田丈志(=コスモス薬品、28)、自由形・藤井拓郎(=KONAMI、27)で挑み、3分31秒26のタイムで、同種目史上初の銀メダルを獲得した。なおメダル獲得は3大会連続となった。

 アメリカとオーストラリアにメダリスト・ファイナリストがずらり揃う中、日本も入江、松田のメダリストをそろえる。さらに、ここまで、メダルなしに終わっているが日本チームの精神的支柱である北島など、チーム力で勝負する。

 第1泳者の入江はアメリカについで2位で、第2泳者の北島へつなぐ。北島はアメリカのブレンダン・ハンセン(100メートル銅メダル獲得)を早々にとらえると、トップで第3泳者の松田に渡す。松田は、アメリカのマイケル・フェルプスとのデッドヒートを繰り広げ、アンカーにつなぐ数メートルまでトップを譲らない。

 最後の数メートルで2位に落ちたが、この流れに第4泳者の藤井が、飛び込んだ時点で、3位との差が1秒以上ついている。最後のターンで、3位のオーストラリアが激しく追い上げてくる。藤井は最後まで粘って、このまま2位をキープし、同種目で史上初の銀メダルを獲得する快挙。

 銀メダル獲得に、入江は「やったー」と声を上げ、北島は両手を上げてガッツポーズしたあと、松田と抱き合い、泳ぎ終わってまだ、プールの中にいる藤井と3人がそれぞれガッチリ握手した。

 入江は、「ずっと言ってきたとおり、27人でひとつのリレーをしていた。4年前は銅だったので、銀を取りたいと言っていた。本当にうれしい」と語ると、北島は、「自分の役割果たして(松田)丈志につなげたいと思っていたので嬉しいです」と、笑顔で応えた。

 キャプテンの松田は、「僕か経験ないんで、頑張んなきゃいけなかった。(北島)康介さんには内緒だったんですけど、実は、昨日、『康介さんを、このまま手ぶらで帰らすわけ行かないぞ』と言っていたので、27人全員で獲った」と、秘話を明かした。最後に泳いだ藤井は、「いい流れを作ってもらった。康介さんに『落ち着いて行け』と言われたので自分のレースできました」と、北島に感謝した。

 競泳はこれで全種目が終了。日本は金メダルこそなかったものの、銀3個、銅8個の計11個のメダルを獲得。04年アテネ五輪の8個を上回り、戦後最高となった。

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