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【ロンドン五輪】体操個人総合!内村航平、金メダル!「体操人生の演技で恩返しできれば」

 ロンドンオリンピック大会第6日目の8月1日、体操個人総合が行われ、世界選手権3連覇中の内村航平(=コナミ、23)が、92.690点で金メダルを獲得し、世界に「美しい体操」を存分に示した。体操男子個人総合での金メダルは、1984年ロサンゼルス大会での具志堅幸司氏以来28年ぶりの快挙。

 また、体操団体総合決勝の跳馬で、左足甲を剥離骨折した山室光史(=コナミ、23)に代わって、出場した田中和仁(=徳洲会、27)は89.407点の5位に入った。

 まるで日本の団体予選を見ているようだった。有力選手が次々とミスや落下をし、点数が伸びない。そんな中、団体でミスを連発し、納得いかない演技で終わったエース内村と、キャプテンの田中(和)は、完全に気持ちを切り替えて、高得点を重ねていく。

 1種目目、内村は、団体総合の決勝で「物言い」がついた鬼門のあん馬で15.066の高得点し小さくガッツポーズ。田中(和)もつり輪で、着地もピタリと決めて15.200と、好調に滑り出す。2種目目、内村のつり輪は、15.333で、田中(和)も跳馬で15.533と続く。

 3種目目、内村は3種目の跳馬で16.266の高得点を出し、何度もガッツポーズをし、満面の笑顔に、ようやく得意の“ドヤ顔”も出る。田中(和)も得意の平行棒で15.500の高得点を叩き出し、日本勢のワン・ツーと夢のような展開。4種目目、内村は平行棒でも、大きなミスなく演技を終えて15.325。田中(和)は、鉄棒で団体戦ではミスした高難度の技をキメ、15.575の高得点を獲得。

 4種目を終えて田中(和)と内村がワン・ツーでデッドヒートを繰り広げる。ところが、田中は5種目目のゆかで、尻もちをつき14点台。さらに最終種目のあん馬で落下し、13点台と自力でのメダルが厳しい状態になった。

 一方、内村は、5種目目、6種目目は、得意の鉄棒とゆかという有利な展開。その鉄棒は、F難度のコールマンを回避して、きれいな着地を目指す余裕ぶり。それでも15.600。最終種目のゆかは、内村の体操が凝縮された内容で、有終の美を飾るはずだったが、着地で1度手をつくミス。それでも、深刻な顔にならずに、テレ笑いのような笑みを見せた。得点は15.100で、合計は92.690でトップを堅持。

 この後メダル圏内の他国の選手が力どおりの得点を出し、田中(和)は、結果6位入賞をはたした。しかし、田中(和)の合計が89.331なのに対し、2位のマルセル・グエン(ドイツ)が91.031と「2.0」差、ダネル・レイバ(アメリカ)は、90.698と「1.4」差あればメダルだっただけに、最後の2種目、特にあん馬の落下が悔やまれる。

 田中和仁選手のコメント
 (あん馬で難度の高い演技を切り抜けて)こっからだと思った時に詰まってしまって、立て直せなかったので悔しいですね。(山室)光史がケガして、もう一度、自分らしい演技を見せられるチャンスだったので。団体予選、決勝を一度は切り替えて波に乗れていたんですけど、ゆかとあん馬でつまづいてしまって。いやー悔しいですね(と、笑顔)。(それでも「美しい体操でした」というインタビュアーに)自分らしい演技だったのかなぁと。

 まだ(種目別で)平行棒が残っているので、また、時間空くので、気持ちを切り替えて集中していきたい。3回ともゆかとあん馬という2種目で失敗しているので悔しい。平行棒がラストチャンスなので、あと1種目自分の演技をしっかり発揮できれば、結果が付いてくると思うので頑張ります。

 内村航平選手
 表彰台に登った時は夢かと思いました。やっとここまできたという想いと、いろんなものが込み上げてきました。応援してくれた皆さんのおかげで、獲れた金メダル。みなさんに感謝したい。(お母さんに向かってガッツポーズしてましたが?)親には一番感謝の気持ちが込み上げてきているのでありがとうと。

 (団体戦から中2日、どう気持ちを切り替えましたか?)苦しくて、今日の試合もどうなるかと思っていたけど、チームのみんなのためにも、国民の皆さんのためにも、気持ちだけ強く持って挑みました。あん馬を乗り切ればいい流れになっていけると思った。(鉄棒でコールマン抜いたのは?)落下が1日目(団体予選)にあったので、失敗したくないとの思いから抜きました。(4年越しの金メダルの感想は)重たいし、一番輝いてます。今も夢みたいで信じられないです。ただただありがとうと言いたいです。これからも体操人生続くので、体操人生の演技で恩返しできれば。

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