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【ロンドン五輪】日本男子サッカー、3大会ぶりベスト8進出決定!永井「次も勝って1位通過」

 男子サッカーU-23(23歳以下)日本代表は29日(日本時間30日)、イギリスのニューカッスルでロンドン五輪1次リーグの第2戦となるU-23モロッコ代表戦に臨み、後半39分にFW永井謙佑(J1『名古屋グランパスエイト』・23)のゴールを最後まで守りきり1-0で勝利した。

 初戦のスペイン戦を1-0で破り“グラスゴーの奇跡”を起こしたU-23の“SAMURAI JAPAN”たち。勢いそのままに予選突破といきたいところだが、アフリカ勢独特のリズムと身体能力の高さで攻めてくるモロッコも難敵だ。予選リーグ突破を2000年のシドニーオリンピック以来3大会ぶりに確実のモノに出来るのか。

 気になる点としては、ケガで途中交代した得点を決めたFW大津祐樹(ドイツ・ブンデスリーガ『ボルシアMG』・22)と右サイドバックで攻守に重要なDF酒井宏樹(ドイツ・ブンデスリーガ『ハノーファー96』・22)の2人が先発メンバーに名を連ねるのか。また、これに伴って、フォーメーションの変更はあるのか注目された。

 その先発は、1トップに“スピードスター”のFW永井謙佑(J1『名古屋グランパスエイト』・23)を据え、2列目のトップ下にMF東慶悟(J1『大宮アルディージャ』・22)、左サイドにFW大津祐樹(ドイツ・ブンデスリーガ『ボルシアMG』・22)、右サイドにMF清武弘嗣(ドイツ・ブンデスリーガ『FCニュルンベルク』・22)、左ボランチMF扇原貴宏(J1『セレッソ大阪』・20)、右ボランチMF山口螢(J1『セレッソ大阪』・21)、ディフェンス陣はCB吉田麻也(オランダ1部『VVVフェンロ』・23※オーバーエイジ枠)、CB鈴木大輔(J1『アルビレックス新潟』・22)、LSB徳永悠平(J1『FC東京』・28※オーバーエイジ枠)、RSB酒井高徳(ドイツ・ブンデスリーガ『VfBシュトゥットガルト』・21)、GK権田修一(J1『FC東京』・23)という布陣で、FW大津は先発に名を連ねたが、RSB酒井宏樹は酒井高徳と交代した。

 前半は左から右へ攻める日本のキックオフ。

 前半6分 モロッコはワンタッチで前線へスルーパス。そのままペナルティーエリアに侵入され、GKと1対1になりかけるが、吉田が戻り、GK権田がキャッチ。

 前半12分 右サイドの清武がパスを受けると、DFとGKの間にアーリークロス。永井が飛び込むが、うまく合わせられずゴール左へ大きく外れる。

 前半17分 モロッコの右CKからのボールが、ゴール中央やや左からフリーの選手に渡り、ヘディングシュートを打たれる。酒井(高)に当たったボールを、さらに、左足でシュートされるも、また、酒井(高)が体を張って防ぎ。決定機を阻止する。

 主導権はモロッコが握る。日本は、スペインとの激闘から中2日ということで、身体が重く疲れがあるのか、スペイン戦で見せた高い位置でボールを奪い連動した守備と攻撃という姿が見られない。徐々に日本らしさが出てきたのが前半の30分過ぎからだ。

 前半37分 清武からのボールを左サイドから中に切り込んできた大津が右足でミドルシュート。これがDFに当たり、日本が右CKを得る。扇原が蹴ったボールはGKがキャッチ。

 前半42分 右CKから扇原が蹴ったボールにDFに競り勝った鈴木が合わせる。一瞬ゴールラインを割ったかと思われたが、GKがゴールラインギリギリでキャッチ。日本は惜しいチャンスを逃す。

 さらに、前半44分 左CKから清武が蹴ったボールに走り込んできた吉田が頭で合わせるが、ヒットしきれず肩に当たりボールはゴール右に外れる

 ゴールの兆しが見えてきた日本は、後半右から左に攻める。

 後半17分 永井からのパスを右サイドで受けた清武が、中央にドリブルで切れ込み、左足で強烈なシュートを放つが、GKがわずかに触ってクロスバーに当たる。

 後半25分 酒井(高)からハーフウェーライン付近でボールを受けた大津がドリブルで突破。そのままペナルティーエリア前から右足でシュートを放つもGKがファインセーブ。

 後半33分に大津に代わって齋藤学を入れる。後半から、2列目に下がっていた永井を再び1トップにするこれが功を奏する形になったのが、決勝ゴールだ。

 後半39分 ハーフウェーライン付近で清武がDFラインの裏を走る永井へパス。永井が抜群のスピードで抜け出すと、それを警戒していたGKがすぐに反応する。ペナルティーエリアを超えて出てきて、永井のシュートを防ごうとするが、左サイドで受けた永井の方が一瞬早く、GKの前で右アウトサイドに当て、ボールは無人のゴールへと吸い込まれ、日本が待望の先制点。

 何とか勝ち切りたい日本に対し、負けたら後がないモロッコはどんどんロングボールを放りこんで、波状攻撃を仕掛けてくる。アディショナルタイムの3分間は、ほとんどモロッコの猛攻で、それを全員で守りきるという形が続く。

 特に危なかったのは、アディショナルタイム2分 ロングボールを頭でそらし、DFラインの裏に抜け出したモロッコの選手とGK権田が1対1。シュートを放たれるが、身体を張ってクリア。さらにこぼれ球をシュートされるが、カバーに入った吉田がかろうじて足に当てクリア。日本が絶体絶命のピンチを防ぐ。

 このまま試合終了となり、日本は3大会ぶりにベスト8進出を決定させた。

 関塚隆監督のコメント
 疲れもあったのに選手が最後まで走ってくれた。集中力を途切れさせずやってくれた。永井も疲れていたのによくやってくれた。1戦1戦この雰囲気でやれるのは大きいし、1つ1つ積み重ねていきたい。

 永井選手
 うまく裏に抜けてダイレクトで打てた。1位で通過したいので、次もしっかり勝って1位通過します。

 吉田選手
 だいぶ動きが遅かった。点とれてよかった。(自分が)セットプレイで決めていれば楽だったんですけど。永井はだいぶ外していたが、やっと決めてくれた。チームがレベルアップするためには、次も勝っていきたい。もっと目指すところは上にある。日本のみなさんにいい報告をできるように頑張ります。

 扇原選手
 我慢強くみんなで戦ったことが、嬉しい気持ちでいっぱいでした。オリンピック前からいい雰囲気で、いい仕上がりでやっていて楽しい。もっともっと勝てるチームだと思う。気を抜かずに3連勝で上に行きたい。

 清武選手
 自分では(体が)動くと思って(試合に)入ったんだけど、なかなか動かなかった。

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