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関口祐加監督 アルツハイマーの母との2年半を映画に!喜怒哀楽を素直に

関口祐加監督 アルツハイマーの母との2年半を映画に!喜怒哀楽を素直に
初日舞台あいさつに立った関口監督とその家族

 長編動画『毎日がアルツハイマー』(配給:シグロ)の初日舞台あいさつが14日、東京・銀座シネパトスで開かれ、企画・製作・撮影・編集を務めた関口祐加監督(55)が登壇した。

 少子高齢化が進む現代日本。しかし、そんな中でもあまり語られない認知症の介護に焦点を当て、関口監督が認知症と診断された自らの母親との2年半にわたる日常を映し出したドキュメンタリーとなっている。日常でのなにげないやり取りを通じて、アルツハイマーの実態や介護、果ては家族のあり方や人間の尊厳に迫る作品だ。

 関口監督は、「『毎日がアルツハイマー』は、母がアルツハイマーになったからカメラを向けたのではなくて、アルツハイマーになった母が、すごく良いなと思ったからなんです。良妻賢母で硬い考えを持っていた母が、アルツハイマーの力を借りることによってすごく軽くなって、自分に正直に喜怒哀楽を出すようになった。アルツハイマーになった母が、人間としてすごく良いなと思って、それで母にカメラを向けたいと思いました。ドキュメンタリーの監督は、常に魅力的な被写体を探しています。本当に身近なところに、こんなに素敵な被写体がいたんた!という気持ちが強くて母にカメラを向けました。」と、コンセプトを明かす。

 母親がアルツハイマーだと診断された当時のことについては、「認知症の『に』の字も分からなかった。そうだろうなと思っていても、実際医者に言われると、焦りましたしパニックにもなりました」と、ショックだったという関口監督だが、「そんな私に何が助けになったかというと、自分が知らないことをオープンにして地域包括センターなどに助けてもらったこと。実は映画にしているくらいですから私は母のことをちっとも恥ずかしいとは思っていないんです。一番つらいのは母だと思っているので、母の気持ちをなんとか楽にできるように、色々な方に助けていただく。オープンにすることで、たくさんの人が助けてくれる。1人で抱え込まないことはとても大切だなと思っています」と、胸の内を。

 撮影を通して、「お医者様にお会いしたりして、世の中には割りと知られていないようなアルツハイマーのあり方、アルツハイマーの病気についてしっかりと知ることが出来ました」と、感じたことを伝える関口監督は、「そういう意味では、本作を通して一石を投じる、革命を起こすことが出来ればな、という気持ちがあるので、いろいろな方に見ていただきたいと思います」と、PRした。

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