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【インタビュー後篇】SDN48野呂佳代 この舞台は今後の試金石

20120105舞台「パルレ」野呂佳代
ミュージカル初挑戦で主演に抜擢

 会見中にも、3月に“全員卒業”を控える『SDN48』の話が出て、「公演にはSDN48のメンバーも来たいと言ってくれているので、キャプテンとして『ちゃんとできました』というところを見せたい」と、力を込めて語っていた。

 そこで、キャプテンとして、『SDN48』の“卒業”と、今後の目標について聞くと、「卒業はそういう流れになってしまったことは、自分たちがそうした部分もありますし、秋元(康)先生が思ったこともあると思います。ファンのみなさんを置いていってしまうのではないかというのが、私の中では卒業というものに対して、一番残念だと思っています。

 ファンの方からすれば、応募しても見れなくなったりとか、自分の活躍次第で、ファンの人を置いていくか連れてくるかになってしまうわけじゃないですか。だから、その点でこれからもっと頑張っていこうと思える部分です。

 自分にもいつかは終わりが来るものなので、むしろ『AKB48』からずっとやっていたので、自分自身に期待するためにも、この3月で卒業のほうが、自分的には頑張れるものがあると思ってます」と、率直に、いまの気持ちを語った。

20120105舞台「パルレ」野呂佳代
AKB48、SDN48の6年間で学んだことを生かせる舞台にしたい

 野呂は、『AKB48』第2期オーディションで合格し、チームKに所属。06年のメジャーデビューシングルで選抜入りするなど、初期から少人数のファンとともにいまの『AKB48』の礎を築いてきた1人であるから、なによりも、ファンの気持ちを大事にしていることがわかる。

 野呂は以前、「私はお芝居をやりたくて芸能界に入った」と語っていたが、今後は女優さんや舞台系を目指すのかというと、「本当ならバラエティー系で押したいんですけど(笑)」と、お笑いに未練があるようだ。

 それでも、「事務所のスタッフさんが可能性を大事に拾ってくれたことがありがたいことなので、みなさんが感じてくれた可能性と、自分の持ってるものはすべてを出し切りたいし、吸収していきたい1年だと思っています。やれることはすべて吸収して、次に出していきたい。ただ、もう『AKB48』という看板がないので、あとは自分自身がやるしかないし、自分が頑張るしかないと思ってます」と、『AKB48』という大きないけすから、厳しい大海に解き放たれた魚のように、決意を語った。

20120105舞台「パルレ」野呂佳代
元劇団四季の木村花代(左)と野呂(右)

 そして、野呂の何でも吸収しようという姿勢を満たしてくれる環境がこの舞台にはあるという。「三波豊和さん、川島なお美さん、大鳥れいさんって何年もやってきてらっしゃって、私が新人ということがあるのですが、みなさんが本質から教えてくれますね。たとえば、芝居がどうという部分ではなくて、私のことをよく見てアドバイスをしてくれて、それが、自分の中ですごく役に立っていて、すごく感謝しています。

 『新人だから見て学べ』という感じではなくて、本当にみなさんが隣に来て、『こうだよ』と教えてくれたりとか、大鳥さんとかは『大丈夫だよ!』と、宝塚(歌劇団)のノリでサバサバしているのが、私には合ってて、すごくいろんなことを教えてくれるので、これはいいものにしたいし、自分の取り入れたものを一生守っていこうと思いました」と、語った。

 そういう意味では、今回の舞台出演は、ステップアップになるのではと聞くと、「本当にこれが、自分の中で基準になってくるものだと思います。これが駄目だったらこの先もきっと難しくなるだろうし、これが『良い』と、言ってもらえるものになったらこの先も可能性が広がると思うので、卒業までにこの『パルレ』という舞台が一番大事だと感じています」と、記者が想像していた以上に、危機感をもって取り組んでいる。

20120105舞台「パルレ」野呂佳代
この舞台を成功させることが卒業後の試金石になる
20120105舞台「パルレ」野呂佳代
Wキャストの木村(左)とも打ち解けあい
20120105舞台「パルレ」野呂佳代
ミュージカルのプロに負けじと大声で歌う野呂
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