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山田五十鈴さん死去 女優として初の文化勲章“ベルさん”逝く…

 女優として初めて文化勲章を受章した山田五十鈴さん(本名・山田美津)が9日、都内の病院で亡くなったと、10日放送の情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系、月~金・午前8時~)が報じた。95歳だった。

 山田さんは1917年、大阪府出身。新派俳優の山田九州男を父に持ち、幼少から清元、舞踏を習った。小学校卒業後の1930年、日活に入社し、山田五十鈴の芸名で『剣を越えて』で映画デビュー。第一映画、新興シネマを経て東宝入りし、長谷川一夫とのコンビで一躍トップ女優となった。

 私生活では、俳優・月田一郎、プロデューサー・滝村和男と結婚したが、いずれも離婚。戦後、東宝のストをきっかけにフリーとなり、50年に俳優・加藤嘉と結婚。思想的影響を受け、汚れ役にも挑んだが、54年に離婚後は『猫と庄造と二人のをんな』『蜘蛛巣城』などに出演、毎日映画コンクールなど数々の賞を受賞した。

 62年からは映画から舞台へ活動の場を移し、東宝演劇部の中心女優として活躍。水谷八重子、杉村春子と並び、三大女優と呼ばれ、“ベルさん”の愛称で親しまれた。

 75年『たぬき』で毎日芸術賞と文化庁芸術祭大賞、その後も芸術選奨文部大臣賞、文化功労者表彰など多数受賞。00年には女優として初の文化勲章を受章したが、02年に体調不良で入退院を繰り返し、02年NHKで放送された『芸能花舞台』が、最後のテレビ出演となった。葬儀も日程は未定とのこと。

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