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梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ

梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
5000人を熱狂させた梶浦由記

 6月29日から7月2日までの4日間、米ロサンゼルスのロサンゼルス・コンべンション・センターで開催された北米最大級のアニメイベント『Anime Expo 2012』に公式ゲストとして招待された、音楽プロデューサーで作詞・作曲家である梶浦由記のソロプロジェクト『梶浦由記/FictionJunction』一行は、滞在3日目となる30日(L.A時間)に、今回のメインプログラムである『Yuki Kajiura LIVE @Anime Expo 2012』を行った。

 『魔法少女まどか☆マギカ』、『Fate/Zero』など、海外でも人気のアニメの楽曲を手掛けている梶浦由記のソロユニット『梶浦由記/FictionJunction』のライブとあって、同ユニット初となる即日完売での5000人が詰めかけた。開場1時間前から、会場を取り囲むようにして長蛇の列ができ、「お客さんが入場に時間がかかるため」スタートが40分遅れるほどの超人気。

 5000人が埋め尽くした会場は、思い思いのコスプレをした海外のファンも多くいる。色とりどりのサイリュームが振られ、スタートを待ちかねたファンが時折、「ウォー」と歓声を上げながら、ウェーブが起こる。

 ファンの期待感が最高潮に達する中、BGMの音が消えると、歓声と握手に包まれ、WAKANAがソロで登場。ピーンと張りつめた澄んだ高音で、歌い上げる。現実と夢幻のスイッチが切り替わる露払いのような役のWAKANAがいったん降壇する。

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 「階段を下りた時に、梶浦さんとバンドさんたちとすれ違うんですけど、『いっちょやってやろう』という自信に満ちた顔で、かっこよかった」と、WAKANA。みんなから、「よかったよ」って肩をたたかれ、ホッとしたという。

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スタートはWAKANAのソロ

 変わって、梶浦とバンドメンバーが登場。続いてKAORI、KEIKO、YURIKO KAIDA、WAKANAが、真っ赤なライトで染め上げられたステージに登場。

 全員が位置に着いたところで、ドンと青い照明に変わり、2曲目に突入。1、2曲目に人気アニメ『Fate/Zero』のBGM曲で、海外のファンも入り混みやすいであろう曲を選択し、ファンの心をググッと惹きつける。

 自分のパートの第一声を発するまで、緊張感あふれる顔で待つ4人。「普通にやろうと声を掛け合っていたが、最初は緊張した」と、KEIKO。

 ファンも出演者側も緊張がほぐれだしたのは、梶浦の1回目のMCから。英語で「いらしていただいてありがとうございました」という内容のあいさつをファンに向けてすると、そのままメンバー紹介をウィットに飛びながらしていく。

 「WAKANAちゃんは、ソプラノボイスを担当しています。WAKANAちゃんは、悲しい悲劇的な声の持ち主だと思ってます。皆さんが曲をきいて、なんかよくわからないけど、悲しいなと思ったら、WAKANAちゃんが歌っていると思ってください。

 KAIDAさんは、ソプラノ歌っているけど、一番高いところから、一番低いとこまで歌っています。彼女とはだいぶ長いこと仕事をしています。英語でサウザンズ・オブ(たくさんの)私の曲に参加してくれていると思う。そう、この間、数えてみたら、サウザンズじゃないけど、100個以上の曲を歌ってました。

 KEIKOちゃんは、主にアルトを歌っています。私の曲では複雑なコーラスワークが時々あり、そのコーラスワークを支えるのに必要なのが力のある低音です。低音の支えがないとコーラスは響かない。私たちには彼女が必要なんです。

 KAORIちゃんは、主にメゾソプラノからアルトを歌っていますが、高いところも歌っています。コーラスのセンスが非常に高く、ヴォーカルもエモーショナルで、特にバラードはとてもいい味を出してくれると思います」

 続いてバンドメンバーを紹介し、「彼らはステージだけでなく、レコーディングにも参加してくれているメンバーで。一緒に音楽を作っているメンバーです。彼らがここに居てくれると、私は心配することはないんです」と説明。

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 次のセクションあたりから、徐々に動きが出てきて、KAORIが率先してお客を煽っていく。それにつられて、KEIKOも華やかな動きをし、それにつられて、KAIDA、WAKANAもノリノリに。

 ボーカル陣がお互いに向かい合って、セッション気味に歌を被せあったり、逆に背中をくっつけあって、歌うなど激しく動いていく。

 6曲歌い終えると、次のMCで梶浦が、「ここ一年以上、ずっと『Fate/Zero』の音楽に取り組んで来ましたが、先日この作品も最終話を迎えました。……(最終話の)上映会見た?(会場盛り上がる)この作品の音楽を作るのは本当に本当に楽しかったのですが、なかなかハードでもあったので、最終話を迎えてちょっと今私は平和な感じです。次の土曜日からは、こちらも音楽を担当させていただく、『ソードアートオンライン』の放映が始まります。主人公が男女とも若くて、ある種の「新鮮」さがある。それは「Fate/Zero」にはない要素だったので(笑)、いまは楽しんで作っています」と語る。

 最終セクションでは、スタンディングするファンが増えてくる。充足感と余裕がでてきたのか、メンバーたちにも歌舞伎のミエを切るような、自信にあふれた“ドヤ顔”のようなパフォーマンスが見られだす。「一歩ひいて、みんなを見ていたんですけど、WAKANAがすっごいドヤ顔してた」とKEIKOも笑いながら言う。

梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ

 梶浦も、満足感に満ちた表情でキーボードを弾きっぱなし。「笑顔がアメリカ人になっていた」とKEIKOが語るように、メンバーと目があっては、笑顔がこぼれっぱなし。正面からみていても、笑わないようにしていても笑いが自然とあふれ出るような、充足感に満たされたような、表情をする。

 ついには、片手を突き上げたり、片手では足らずに両手を何度も突き上げるパフォーマンスで、さらに、ファンたちを鼓舞していく。

 最後のMCで梶浦は、「最後の曲になってしまいました。あと10時間ぐらい(ライブ)やっていたい」といったが、本音だったと思うほど。

 そして、最後の『open your heart』では、全員が総立ちとなり、サイリュームや手を右から左へと曲に合わせて大きく振る一体感に包まれる。

 アンコールもかかり、さらにヒートアップするなか、約2時間にわたったライブが終了すると、スタンディングオベーションで会場が包まれていく。

梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ

 そこで、「ファン入れ込みの記念写真を撮影する」と告げると、凄い勢いでステージに向かって突進してくる。中には、興奮冷めやらないファンがステージに登ってこようとするほどだった。

 ライブを終えての感想を梶浦は、「ライブに対しての緊張感が思いのほかありました。今まで慣れた日本では何度かやっていましたし、慣れた手順的なものもあったんですが。それをバンドごと、そっくりそのまま海外に持ってくるということで、心配ごとはやはり多々ありました。その一つ一つをクリアに出来た上でライブの場に臨めた事でまず安心感がありましたし、何よりお客様の、暖かい反応、笑顔で、音が確かにお客様に届いているという確信を得ることが出来ました」

 記者 一体感のあるライブでしたが、あそこまでと言うのは想像してましたか?
 梶浦 「2003年に『ANIME EXPO』でやらせていただいて、アニメエキスポのお客さんが、音楽に対して、肯定的に取り組んでくれるお客さん。音楽を楽しもうと前向きに聞きに来てくれるお客さんなんだというのは、わかっていたので、お客さんが好意的に反応してくれるだろうなと言うことに関しては、心配していなかったんです。だけど、最後の方で、ああいう風に一体感(曲に合わせて右に左に大きく手を振る)を感じられるとは思っていなかった。わりと自由の国ですから、皆さん、それぞれが自由に楽しんでくださって、そういう意味で、凄く楽しいライブになるんじゃないかと思っていたんですが、皆さん、ビッグウェーブとか、スタンドの後ろの方でクールに聞いていたお客さんまで、最後の方はウェーブしてくれて、曲に合わせて左右に手を振ってくれるとは思ってませんでした。ちょっとグッと来てしまいました。ステージ上は私だけではなく、みんな泣きそうでした」

 記者 03年の時は最小限でのライブ(梶浦のキーボードのほか、ボーカル1人、ヴァイオリン、ギター)だったんですけど、今回は、フルメンバーにした最大の要因は。
 梶浦 「当時(03年)は、『Yuki Kajiura Live』が始まっていなかったんですね。だから、『Yuki Kajiura Live』をこういう風に見せますよという形態がなかったんです。その後『Yuki Kajiura Live』と言うものが始まりまして、回数を重ねまして、ご招待いただいて、今度ライブするなら、今、日本でやっている『Yuki Kajiura Live』をそのまま持っていく形でないとあまり意味がないなと。劣化版を持っていくわけにはいかないので、できれば今やっているメンバー全てで、『Yuki Kajiura Live』をちゃんとお見せしたいと、『ANIME EXPO』さんにお願いしたら、OKと言ってくださったので。まさかOKと言ってくださるとは、正直思っていなかったんです。人数多すぎて。快くOKしてくださったので、全員で来ました」

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 さらに続けて梶浦は、「ここ3作ぐらい、アメリカでも人気の作品に取り組まさせていただき、それもあって呼んでいただけたと思うんですよね。その人気作のBGMを聞きに来るわけで、それをお聞かせするのに、なるべくいい形でと思ったのもありますね」

 記者 それは、プレッシャーにはならないですか。
 梶浦 「『Fate/Zero』の曲も『魔法少女まどか☆マギカ』の曲も日本で何度かライブでやっていたんですね。Yuki Kajiuraライブはバンドメンバーがとにかく素晴らしく、歌ってくれている4人もともかく素晴らしく、私の理想のメンバーをステージに集めているので、私の曲を聴いて欲しいと言うよりは、彼らの演奏に酔いしれて、という気持ちで来ました。このバンドメンバーすごいでしょ。この歌い手さんたち凄いでしょっていう気持ちがどこかにあって、彼らがきちんと演奏出来て、きちんと歌える環境さえ用意できれば、音楽に関しては心配していません」

 【セットリスト】
 overture
 M-01. the beginning of the end /『Fate/Zero』
 M-02. the battle is to the strong /『Fate/Zero』
 M-03. the image theme of Xenosaga Ⅱ/『XenosagaⅡ』
 —MC—
 M-04. vanity/『FICTION』
 M-05. Liminality/『.hack/Liminality』
 M-06. in the land of twilight , under the moon/『.hack/SIGN』
 M-07. Hanamorino Oka(花守の丘)/『Hokuto no Ken』
 M-08. Parallel Hearts/『Pandora Hearts』
 M-09. salva nos/『NOIR』
 —MC—
 M-10. Sis puella magica!/『Puella Nagi MADOKA☆MAGICA』
 M-11. forest/『EL CASADOR DE LA BRUJA』
 M-12. Credens justitiam/『Puella Nagi MADOKA☆MAGICA』
 M-13. Himeboshi(媛星)/『MY-HiME』
 M-14. Duran-Shoukan(デュラン召環)/『MY-HiME』
 M-15. Mezame(目覚め)/『MY-HiME』
 M-16. stone cold/『SACRED SEVEN』
 M-17. zodiacal sign/『AQUARIAN AGE』
 —MC—
 M-18. open your heart/

 ~encore~
 the world/『.hack/SIGN』

 

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始めは緊張した面持ちだったKEIKO
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WAKANA


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KAORI
梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
YURIKO KAIDA


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KEIKO
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梶浦由記


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盛り上げるKEIKO(左)とKAORI
梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
コスプレしてライブ会場へ


梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
ノリノリのKEIKO(左)とKAORI
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KEIKO


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YURIKO KAIDA
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緊張もほぐれいつものノリが・・・


梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
梶浦由記
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WAKANA


梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
YURIKO KAIDA
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ドラム:佐藤強一


梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
ギター:是永巧一
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バイオリン:今野均


梶浦由記/FictionJunction in L.A詳細ルポ!ライブに5000人が熱狂!最後は一体感にウルッ
マニピュレーター:大平佳男
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ベース:高橋"Jr."知治


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