映画祭『ラブ&エロス シネマ・コレクション』2ndシーズン第3弾作品『セカンドバージンの女 通り雨』(監督:成田裕介/配給:アルゴ・ピクチャーズ)初日舞台あいさつが30日、東京・池袋シネマ・ロサで開かれ女優・丸純子(36)、俳優・小林優斗(20)、高橋洋(39)、諏訪太朗(57)、成田監督(59)とともに登場した。
弁護士の妻として優しい夫と幸せに暮らしていた真由美(丸)はある夜、暴漢に襲われ心と体に傷を負う。被害者でありながら夫とすれ違ってしまい生活も失った真由美は、工事現場のガードマンをしながら1人で細々と暮らしていくことに。ある日、公園で家出少年・啓輔(小林)と出会い弁当を分け与えたことから啓輔との奇妙な同居生活が始まり、お互いの心に持つ傷を見つめ合うこととなる。そんなさなか、真由美の夫が現れることとなり…。
まずは、成田監督から「実はレイトショーの作品は初めてで、ここに来る前に時間がちょっと空いちゃうから少し自前で“ガソリン”を入れてきましてね」と、なにやら赤ら顔。プライベートは寡黙な小林も「“ガソリン”を入れてきました」と、饒舌なあいさつをすることに。
本作の主演で紅一点の丸が白いワンピース姿の丸は、「台本を頂いた時には、なかなか考えることがあり、中には(暴行された)経験がある方もいらっしゃると思うのでそういう方の気持ちを考えながらでした。でも、最後は未来に向かって生きていくと思いながら挑ませていただきました」と、気持ちを語る。すると成田監督が「この人、おもしろくて、そんなこと(暴行)された経験がないんですって言われて、そうそうそんな経験があるかって」と、エピソードを。
さらに、丸は、「自分のこれからの役者としての気持ちが変わりましたし、頑張っていく心構えも変えていただいた。私にとっても変わることになりました」と、変化があったことも明かした。
諏訪が、崔洋一監督の助監督を務めたり『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』『花と蛇3』などでメガホンを取った成田監督へ「僕も駆け出しのころに崔洋一、成田裕介はちょっと怖い印象がありました。変にベタベタしない現場をきちっとする人が本当に少なくなって、ほんの少しでしたけど、成田さんと一緒にやれて、初めてやったころより大人になったのかなという楽しさがありました」と、往年を思い起こさせるようなコメントをしみじみと話した。
ほかにも、小林が「濃密な4日間だったので…」と撮影期間を暴露してしまうと、成田監督が「オールサイレントという、後から音を入れる方式でやりました。おそらく気にならないと思います。海外を意識してやっていくなかで、アフレコをこの時代でチャレンジしてみようかなという方法論を試しました。小林がゲロりやがったんですが4日間ですから、この年になって4日間でできるか。この年になってさすがに堪えたというのが感想です。しかし、こういう場に立たせて頂いて、またやっちゃおうかなという気持ちにさせてくれるようなことを観てもらえればと思っている次第です」と、映画への情熱を語った。
『セカンドバージンの女 通り雨』は30日より1週間限定レイトショーで同所にて公開!