TVアニメ『マジンガーZ』兜甲児役声優の石丸博也(71)と、『デビルマン』不動明役の田中亮一(65)が20日、都内にて、『マジンガーZ』＆『 デビルマン』 生誕40周年を記念してリリースされる『マジンガー THE MOVIE Blu-ray 1973～1976』CMアフレコ収録を行い、実に39年ぶりに、兜甲児と不動明が共演を果たすこととなった。
CMナレーション収録で、久しぶりに当時の役を演じてみての感想を、石丸は、「そうとう衰えてるね。いや、こういうことは言っちゃいけないか」と笑いながら、「40年経ってるからね、衰えとか、自分はやっぱり老けたかな、ということを感じさせてくれたね」と述べる。田中も同様に、「いやー、もう少し上手くいくと思ったけれどね。27、8歳の頃だから若さっていう勢いはあったね」と笑顔で振り返る。“デビルマン”田中は『マジンガーZ』にも縁があり、『グレートマジンガー』の剣鉄也役を、映画『マジンガーZ対暗黒大将軍』で演じている。TVアニメ版『グレートマジンガー』にはスケジュールの都合で出演辞退した田中だが、当初は彼がTVでも剣鉄也を演じる予定であったため、映画版で『マジンガーZ』への出演を果たしている。
『マジンガーZ』、『デビルマン』ともに1972年の放映開始ということで、40年を経た感想を聞かれると、石丸が「また歳の話し？」と報道陣を笑わせながら、「いまだにおもちゃが売れてるっていうのは、キャラクターのデザインが良かったんだろうね、あんまりくどくなくて、カッコ良くてね」と『マジンガーZ』の魅力を語る。田中は、「『デビルマン』は夜8時半からっていう、当時の漫画としては異例でね。ちょっとお色気の要素もあって新しかった。それで今でも人気があるのかな」とコメントを。それぞれのキャラクターの魅力を聞かれると、「オレたちに聞かれてもなあ」と、石丸が笑いながら、「いまおもちゃを買ってくれる子供たちとか、子供の頃見てた人に聞いてもらわないとね。あなたたち見てたんでしょ？それとも、今日はただ仕事だからって来たのかな？」と、報道陣にツッコミを入れ、報道陣を沸かせる。
当時はお互いの作品についてはほとんど見ていないそうで、田中は「『マジンガー』にも出ていたことは、さっき資料を見て思い出したくらい、記憶になかった」と述べ報道陣を笑わせる。また、初めて『マジンガーZ』の収録を行なった時の思い出を、石丸が、「当時はへたくそで、朝10時から夜10時までかかった。あの当時は、当日その場で台本を渡され、リハーサル、収録という流れで。初めてやることだから慣れていなくて、ディレクターに怒鳴られ、怒られながら何回もやり直したね」と振り返りながら、「声優が過渡期の時期で、ギャラを上げようとか、業界を良くしようという動きの中で頑張ってたと思う。デモやったりストやったりして闘っていたね。セリフの中の叫びのシーンにはそういった気持ちもこもっていたかな」と語ると、田中も、「若い声優なんて、当時は何十人しかいなかった時代。他にいなかったから役が取れたみたいなもの。オーディションも無く、やれって言われたことをやっただけで、緊張とか気負いとかは全然無くて。今の声優だったら大変だね。今は声優になるのも大変か」と、笑顔を見せる。
最後に、40年やってこれた原動力を尋ねられると、石丸は、「好きだってことだけ。他に何ができるわけじゃなし。自分は良くトチるから“トチ丸”なんて言われたけど、当時は本当に下手だと自覚していたので、ディレクターに対して、『いつか見てろよ』みたいな、負けん気だけは忘れなかった。何年か頑張って、慣れればできるようになるもんで、好きこそものの上手なれってことだよ」としみじみと。これを聞いていた田中が、「僕の方が年下だから失礼かもしれないけど、確かに最初の方は下手だったね。あとの方になって、どんどん上手くなってるっていうのは思ったね」と述べると、石丸が「そう、好きなことは諦めずに、できること、好きなことはやり続けろ。いつかなんとかなるもんだ」とメッセージを述べ、和やかな会見に幕を下ろした。
番組の枠を超え『マジンガーZ』と『デビルマン』との夢の共演を果たした『マジンガーZ 対デビルマン』や、TV放送に先駆け『グレートマジンガー』を登場させた『マジンガーZ対暗黒大将軍』などの劇場用オリジナル7作品が収録された『マジンガー THE MOVIE Blu-ray 1973～1976』(販売:東映/発売:東映アニメーション･東映ビデオ)は10月21日発売。3枚組〈本編DVD2＋特典blu-ray1〉で1万5750円(税込）。
