俳優・相葉裕樹（24）が7日、東京・下北沢の本多劇場で主演舞台『リトルショップ・オブ・ホラーズ』（演出：松村武）公開ゲネプロを開き、公演を前に俳優・新納慎也（37）、女優・フランク莉奈（18）が囲み会見を開いた。
米B級映画が原作。舞台はニューヨークのダウンタウン、スキッド・ロウで小さな花屋を営むシーモア（相葉）は同僚のオードリー（フランク）に密かに思いを寄せていたが、オードリーにはサディストでクレージーな歯科医の恋人オリン（新納）がいた。ある日、ひょうんなことからはお客を呼び寄せる奇妙な花を手に入れたシーモア。その花には吸血植物でしゃべることができるという恐るべきもので、シーモアに「人間を殺して血を飲ませろ！」と要求が始まることとなり…。
それぞれ舞台衣装で登場した3人。本日夜からの初日を前に、相葉が、「きのうとかバタバタでした。すごい大変でしたけど、今持てる最高を出せれば」と、意気込みを。一方のフランクは「緊張しています」と、表情は硬いが、「初日に向けてワクワクした気持ちはあります」と、期待と不安でいっぱいなようだ。
同舞台は2010年に、タレント・DAIGO（34）と元『モーニング娘。』の“なっち”こと安倍なつみ（30）が主演したこともある作品だが、そのときもオリンを。演じていた新納は、「DAIGOとナッチはけっこう年行ってたんだけど、前回と違い若返った」と、役柄と同じように奔放に言い放ち、笑いを誘うことも。
何度も上演されるということは、それだけ愛着を持つ者が多いという舞台。演出の松村をはじめ、共演者らが、相葉とフランクに愛のムチを打っているそうで、新納が「2人がよく逃げないなと、怖い先輩にも言われたりしてるし」と、関心しているそう。そんなプレッシャーがあるだけに相葉は、「5キロから6キロけいこに入ってから痩せました。もともと少食だったのが食べられなくなりました」と、苦笑いする。
プレッシャーは所属事務所移籍1年で久々の舞台になるだけに、さらに重くのしかかっているそうで、「成功させなきゃいけない」と、自分に言い聞かせるようにも話す相葉。それでも、「いまは自分が楽しんでお客さんが楽しんでくれるものにしたい。ここまで来たので楽しくいきたい」と、前を向いた。
なお、新納とは舞台を通じて信頼関係も築けたようで、相葉は「新納さんにプライベートプライベートで、人に話せない部分まで話している、それがすごく大きくて、みなさんで本当によかった」と、言えば、フランクのことを「不思議な子でピュア。割と違う角度で答えた帰ってくることが多くて面白いですね」と評することも。一方で、フランクは、「優しそうだなと思ったら、やっぱり優しくて、どうしようと思っているとアドバイスをくれる」と、仲がよさげで、2人で「戦友ですね」と、顔を見合わせて笑っていた。
舞台『リトルショップ・オブ・ホラーズ』は7～20日まで東京・本多劇場にて約18回、29日に大阪・森ノ宮ピロティーホール、7月7日神奈川・神奈川県民ホール、7月13日に北海道・札幌市民ホールにてそれぞれ公演される。
【プチレビュー】
救いようのない事態が次々と展開され、各個人の設定も暗い作品だが、悲壮感はまったくと言っていいほどない。ミュージカルやロックという疾走感あふれる音楽が場内にあふれ、テンポよく最後まで進む。
役者陣も、尾藤イサオや新納らのエネルギッシュな演技から目を離せず、次が読めない展開も仕掛けや、相葉とフランクはそのベテラン陣の中で、苦悩を表現することになり、演技がより一層引き立てられている。休憩途中の工夫も一聴したくなるもの。最後に、なぜ米B級映画原作なのか？それは衝撃のラストを観れば納得すること間違いなしだ。
