『萌えカル文化祭2012』が2日、東京・大田区産業プラザで開催された。
『萌えカル文化祭2012』とは人気声優・水島裕が先陣に立って企画を立てた「日本の萌えカルチャー」を楽しむイベントで3日まで同所で開催。豪華声優らや人気アニソンアーティストらが一堂に会するという、その名の通り、文化祭のような熱気が会場内にはあふれることとなった。
オープニングでは、水島が特設されたリングステージに登壇し、「萌えカルチャーをいっぱい楽しんで！」と宣誓すると、水島が「アネキ」とあがめる声優・野沢雅子が「アネキ！」コールのなか現れることに。
野沢といえば、アニメ『いなかっぺ大将』の風大左衛門や『ドラゴンボール』の孫悟空役で人気を博し、いまでもナレーションなどで引っ張りだこと声優界を牽引する存在として知られているが、この日も、「私の分身を連れてきました」というと、「オッス！オラ悟空！きょうはめいいっぺい楽しんでくれよな！」と、悟空の声を当て、大歓声が飛ぶなか開会を告げた。
リングステージでは、野沢雅子、日高のりこ、太田貴子、坂口候一ら声優がリングステージ上で開かれたオークションで競り勝った人に自分のためにだけセリフをささやいてくれ、その募金が東日本大震災の被災地であるいわきの小学校にFMいわきを通じて寄付されるという業界初『一声オーディション』や、『天元突破グレンラガン』の副監督を務めアニメ製作スタジオ『株式会社トリガー』を設立した大塚雅彦らのトークショーが繰り広げられることに。さらには、アニメ好きが高じ自身でも活動している成田童夢が登場したり、山形ユキオやたいらいさおというアニソンアーティスト大御所がタッグを組んでライブするという夢企画が、盛りだくさんとなった。
なかでも1日目の目玉となった、『全日本若本規夫選手権』なるものが開催。タイトルとなっている人気声優・若本規夫といえば、『松本人志のすべらない話』や『嵐にしやがれ』のナレーション、『ドラゴンボール』のセル役や『サザエさん』の穴子さん、『ニニンがシノブ伝』の音速丸など、数え上げればキリがないほどの功績を残し、ファンから“御大”として親しまれている。その独特のセリフ回しは、マネをする者が後を絶たないほどで、『全日本若本規夫選手権』では、そんな若本愛を本人にマネしながらぶつけるという前代未聞のものとなっており、北は北海道、南は沖縄まで応募者は数百人を超えたという。ちなみに、企画を持ちかけられた水島が「新橋の焼き鳥屋で若本さんを口説いた」そうだ。
人気を象徴するかのように、登場する前から「若本！」コールが場内に響き、ピンクのシャツにスラっと引き締まったジーパンで現れた若本は、「いやー、なんでこんなコールなってんの」と、ひょうひょう。音声で事前応募した若本のマネと愛に自信のある男性6人が、本人を前にステージに立ち、水島がMCで「これから若本さんにこの6人が愛を捧げます」というと、若本は豪快に笑い飛ばす。そして、「独断と偏見だな」と、審査基準をざっくり語ると、「もしねぇ、僕より最高にうまくやれる人がいたらねぇ、『若本規夫』の芸名を譲っちゃおうかな」と発言し、場内は騒然！もちろん「冗談だけどね」と、お茶目さを見せ大爆笑に。
審査は本人と1メートル以内で対面し、独自のセリフを言うというもので、トップバッターが「もしも若本が○○になったら」というものを情感たっぷりにマネし会場は盛り上がったものの、若本本人は「何をしたのか分からなかった」と、言われ撃沈してしまう者や、2番手で披露した者は、「パワー不足だけどね」と言われる者もあり、意外な基準の厳しさに出演者らに緊張が走ることも。
見事若本から“こいつが気に入った”とされ優勝をゲットした男性は、ほかとは一工夫加え、人気アイドルグループ『AKB48』の“まゆゆ”こと渡辺麻友（18、チームB）が若本だったらや、コンビニ店員が若本だったらなどを披露し、若本が「アイデア賞で努力は認める。みんなもよかったけど工夫があった。努力と根性だな」と、“コーチ”のごとき講評を。
初の試みを終えて若本は、「若本のモノマネはやっぱりねぇ、排気量が8000cc必要なんだよ。スポーツカーぐらいいる」と、ジョークでたとえつつ、「上手い人もいてかなりいい線言ってたけど排気量がなかった。バイブレーションだよ、体を鍛えてね。1日だいたい5時間ぐらい呼吸法と古武道で中の筋肉をね。ボイトレと合わせて5時間」と、真面目に語っていた。
さまざまな、萌えカルチャーが豪華共演を見せた『萌えカル文化祭2012』1日目は終了。翌3日の2日目も『一言オークション』をはじめ、成田童夢によるオタ芸コンテストや、海外に行かないと見れないコスプレファッションショー、井口裕香や小林ゆうによる公開録音など、注目のイベントが開催される。
