登録会員数2725万人超（4月26日調べ）を擁する『ニコニコ動画』でお馴染みの株式会社ドワンゴが26日、東京・六本木ニコファーレで『ニコニコ動画 新サービス先行記者発表会』を開き同社代表取締役会長・川上量生氏（43）、同社取締役・夏野剛氏（47）が登壇した。
2006年2月12日のサービス開始から5年を迎え、28?29日に千葉・幕張メッセで同社主催の超大型フェス『ニコニコ超会議』を前に、ロゴ変更、新サービスなどが発表されることとなった。
定刻より20分遅れで始まったオープニングで夏野氏は「裏で不手際がありまして。超会議赤字で大変でねぇ」と、ひょうひょうと現れ、5年間で回線が200倍に増強されたことなどのデータがしみじみ振り返る。
総称・ロゴについては、「全体のニコニコサービスを総称するため『niconico』になりました」と、川上氏。ただし、とくに『ニコニコ動画』の呼称などは変えなくても大丈夫と説明。
さらに、ニコニコ動画（仮）、（β）、（γ）の各バージョンから進化し、現行で（原宿）だったシステムが、5月1日よりプレミア会員が先行して利用できる新システム『Zero』についても発表。その“Zero”という言葉が指す通り「原点回帰」がテーマとなっており、川上氏は「ニコニコ動画が始まったころのリアルタイムで早かった感じになる。リアルタイム感を重視したシステム」になるそう。なお、システムが強制的に移行し過去にユーザーから苦情が多発したことから、今回のシステムは選択制になるそうで、（原宿）にもボタンひとつで戻すことができるとしている。
『Zero』の新動画視聴ページ『ZeroWatch』では、画面サイズのバージョンアップ、リアルタイムタグ編集、動画再生リスト、動画選択ウィンドウ、動画レビューの機能が追加。ほか『Zero』システムの中で、『ニコる』というものが新設されるというが、川上氏によると、「フェイスブックの“いいね”ボタン。押すことに快感があります！」と具体名を出しつつ簡潔に説明。『NicoSound』と呼ばれる、ニコ動で初めて知った曲をダウンロードできるサービスで投稿者が許諾した場合のみ、アンドロイドでダウンロードが可能となるシステムなどが盛り込まれることとなるという。
また、28?29日の『ニコニコ超会議』についても言及。目標は2日間で10万人を目標とするが、夏野氏によると「10万人達成しても赤字です。20万人でもやっぱり赤字。30万人だとパンクしますね」と、採算は度外視している様子。それでも、『ニコニコ大会議』を開いた際には、その後10％視聴が伸びたそうで、トータルで考えているようだった。
川上氏は、イベントについて、「『超会議』非常に期待されていますが、われわれがもう一回やらない限り、もうないイベント。いい意味でも、悪い意味でも、かなり歴史的なイベントになるんじゃないかなというのが正直な気持ち」と、心情を明かす。一方の夏野氏は、「これまでメディアが取り上げにくかった。一部だけで盛り上がっているのが、その一部、全部が集まった感じ。ここにくればデジタルコンテンツの強いところが見られる、日本の文化歴史に残るイベント、来て損はないイベントになる」と、胸を張ることに。
それでも、報道陣から「2歳と4歳の子供を連れていきたいのだが、悪影響は？」との質問が飛んだ際は、川上氏は「悪影響はあると思います」と、悪ノリしつつ正直に明かし、報道陣を爆笑させると、「変な人がたくさんきますが、多様性を理解するということでいいのでは。先に免疫を作ってしまえばいいと思います」と続け、フランクに答えていた。
なお『ニコニコ超会議』では、『Zero』システムを試用するコーナーも設けられるとしている。
