女優・木村花代（34）が9日、都内で行われたミュージカル『ミス・サイゴン』の制作発表会見に、アンサンブル29名と他のプリンシパル10名の40名とともに出席した。
『劇団四季』退団後、第2弾となる出演舞台に挑む木村は、「初参加させていただきまして、大好きな作品なので、大好きな出演者の方々と、尊敬する大先輩の中で、足を引っ張らないように、精いっぱい全身全霊で生きていけたら」と、気合を込めた。
同ミュージカルへの思いについて、「女性の視点から見たミス・サイゴンですが、キムが思う子供への愛。エレンの場合は夫婦の愛。許しであったり、慈悲であったりと、深みがある愛など、いろんな形の愛があることにすごく引かれました。幕が下りたときには、目がはれるぐらい泣いていたことを思い出します。決して、明るい作品ではないけど、必ず人の心に訴える。希望が残るはずであろう作品です。エレンの愛をクリスに向けて演じたい」と、熱く語った。
初参加となる俳優・山崎育三郎（26）は、「子どもの頃から見ていた作品で大ファンでした。憧れの作品で、本当にずっとＣＤを聞いてきた。ミュージカル俳優になって、マリウスとクリスは絶対やりたいと思っていたので、憧れのミュージカルスターの方とご一緒できてドキドキです」と、初々しく語った。
そして、「写真撮るのに衣装着させていただいたんですけど、鏡に映った自分が（屈強なＧＩの役なのに、痩せていて）ベトナム兵にしか見えなかったので、鍛えてマッチョになって登場したい」と、毎日、腕立て伏せを100回やって、胸筋が付くなど、肉体改造に取り組んでいると語った。
岡幸二郎（44）と上原理生（25）がジヨン約をWキャストで演じるが、初参加の上原が、「ジョン役を支えてこられた先輩と一緒にやらせていただくので、胸をお借りするつもりで」というと、岡は、「そう簡単には貸せないです」と笑わせる。それを受けた上原は、「頑張ります」と、小声で語った。
岡は、「彼なら大丈夫。違う作品では、彼がやった役を僕がやっている。いつか超えられる」というと、上原は、「ハードルが上がってしまった」と、恐縮しきり。
泉見 04年からトゥイ役を演じているが、「初参加の人もたくさんいらっしゃる中で、どんな化学反応が起こるか楽しみ。ただ、愛するキムに毎回殺されるというのが…」と、笑いを誘い、「その数を数えると恐ろしくなるけど、（地方公演で）美味しいものをいただいて、蘇って、また殺されてを繰り返していきたい」と、笑わせた。
最後に岡は同ミュージカルが20年愛されている理由について、「まず、音楽が素晴らしい。それと、全ての人が何かに対する愛を持っている。トゥイは祖国とキム、ジョンはアメリカなど、愛は不変なものだから」と、表面的な反戦やツライ話ばかりでなく、「愛」がもうひとつのテーマとなっていることと語り、一同、共感していた。
92年の日本初演で、帝国劇場100年の歴史上初という1年6ヶ月のロングランを記録。その後、04年、08年に2度帝劇で再演され、09年には福岡・博多座でも上演された「伝説のミュージカル」が新演出となって、20周年にあたる今年、還ってくる。
同ミュージカルは、７月１日から「めぐろパーシモンホール」でプレビュー公演を行い、本公演は７月６日から同所でスタート。そのご、7ヶ月かけて、全国11都市82公演を行う。
