元『モーニング娘。』のメンバーで、女優の市井紗耶香（28）が31日、都内で行われた初主演映画『明日に架ける愛』（監督：香月秀之／配給：ティ・ジョイ）の初日舞台あいさつに、イケメン中国人俳優・アレックス・ルー（26）、女優・八千草薫（81）、山本未來（37）、俳優・高嶋政宏（46）、香月監督とともに登壇。また、「明日に架ける愛PR大使」として、漫才師のオール阪神（55）と高田良美夫妻がゲスト出演した。
パステルカラーのジャケットに白のブラウスにミニスカートで登場した市井は、「モー娘。」時代の映画『ピンチランナー』（00年公開）以来、12年ぶりの出演で、しかも初主演という大役に挑んだ。
やりきった率直な感想は、「緊張とプレッシャーがあり、私自身どこまでできるんだろう、皆さんの足を引っ張ってしまうんじゃないかと不安の連続でした。でも、皆さんが温かく迎えてくださいまして、演技の楽しさだったり、新しい引き出しをいただきました。今は演技が楽しいです」と、役者として開眼したような自信の表情で語った。
市井は、昨年、ギタリストの吉澤直樹と離婚し、娘2人を1人で育てるなど、実生活とおなじシングルマザーを演じたが、「子育てをしながら仕事をしていくっていう部分では、１人で抱えこまなければならない悩みや葛藤があると思う。でも、それはシングルマザーだけの問題ではなく、共働きの夫婦もそうだと思うんです。そういうところがリアルに描かれていると思います」と、しみじみ。
さらに、「悠子っていうのはものすごく（自分と）重なる部分が多かった。悠子だったらどういうせりふの言い回しをするのかなと、微調整が難しかった」と、私生活と役柄がダブったことで却って、切り離すのが難しくなったという。
また、市井は亡き祖母の形見の腕時計を身につけて登壇したと語り、「おばあちゃんと、この日を迎えられてうれしい。離れている両親がいたら電話をかけてあげて」と、訴えた。
撮影は、東日本大震災から2ヶ月後の5月に青森にロケに行ったそうで、「皆さんがとても温かく、背中を押してくれたので、ありがたかった。きっと悠子はこういう心温かな場所で生まれ育ったんだと思いながら演じた」と、生まれ育った背景も考えながら演じた。
一方、相手役のルーは「私にとって日本でのデビュー作で、大変意味があります」と、流ちょうな日本語であいさつ。「撮影でいろいろな場所に行きましたが、特に青森の菜の花畑で、自然な風景初めて見たから、涙が出るほど感動しました」と、振り返る。また、映画主題歌『Brave your heart』も倉木麻衣feat.アレックス・ルーとして歌っている。
アパレルメーカーの社長役で出演した山本は、父親がファッションデザイナーの山本寛斎氏（68）であるため、「うちの父が仕事場でスタッフに話しかけているときとか動きとかが、何となく頭によぎりながら、演じている部分がありましたね」と、こちらもすんなり役に入り込めたそうだ。
同作は、“受け継がれていく命”をテーマに、日中友好40周年を記念して製作された日中合作のヒューマンドラマ。シングルマザーの悠子（市井）が幼なじみだった中国人ユウアン（アレックス・ルー）と再会したことで忘れていた本当の自分を取り戻していく。
同作は、3月31日より新宿バルト9ほかにて全国公開
