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元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会

元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
アート好きな陽月華

 元宝塚宙組娘役のトップで女優の陽月華(ひづきはな、31)が27日東京・国立新美術館で28日より開催される『セザンヌ?パリとプロバンス展』(主催:日本経済新聞社/国立新美術館)の内覧会に出席した。

 陽月は、紆余賞のころから絵画に興味を持ち、「もし、宝塚音楽学校に受からなかったら、美術系の大学に進んで、舞台の美術さんになりたいなぁと思っていた」というほどのアート好き。10年の『オルセー美術館展2010?ポスト印象派』では、ナビゲーターを務めたほど。

 世界8ヶ国、約40館から集められた油彩、水彩、デッサンなど合わせて、約90点、全てがポール・セザンヌ(1839―1906年)の作品。彼の個展としては、過去国内最大級の規模だ。

 セザンヌの作品を鑑賞した陽月は、晩年のアトリエの一部を、実際に手身元に会ったオブジェとともに再現されていたり、実際に使っていたパレットや絵画にも登場した瓶や陶器なども展示されていたり、彼自身がアトリエから出てくるところを撮られた写真も展示されていることから、「セザンヌという人を感じられる展覧会だなぁと思いました。イヤホンガイドとか、前もって(セザンヌという人物の)知識をもって観ると、ますます面白いなぁ」と、感慨深げに感想を述べた。

元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会

 印象に残っているのは、風景画で、特に、『トロネの道とサント=ヴィクトワール山』(1896-98年ころの作品)だそうで、遠くに見えてるはずのサント=ヴィクトワール山を大きく描き、手前の木を小さく描いた手法を、「遠近法じゃなくて、自分が何が一番力強く見えるかだとか、自分がどう受け取っているかを大切にした風景の描き方」に感銘を受けたという。

 また、人物画も、「静物画のように描いたり、静物画も、いろいろな角度から見た物の形を1つのキャンバスの中に収めるなど、『俺にはこう見えているんだ』という自己主張が強く」一貫性を感じたという。

 セザンヌは、ルネサンス以来の遠近法や一点透視図法を否定した、パブロ・ピカソなどに代表される「キュビズム」をはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えたことから、「近代絵画の父」と言われている。

元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
『四季:夏』(手前)と『四季:冬』(中)『四季:秋』(1859?60年頃)

 セザンヌの晩年の写真を見た印象は、「気難しそうな人だなぁ。と、それは魅力的な人物だったということなんですけどね」

 もし、セザンヌが演出家だったらと聞くと、「すごく主張がある演出家さんだと思います。そういうのってステキだな。こういうものが見たいから、こういうものをやれというタイプじゃないでしょうか」と、思いを巡らせた。

 さらに、「セザンヌ先生は、そう思っているけど、それを上回るものをしてやろうという。そのせめぎあいが役者と演出家の戦いだと思うんです。それが面白そうだなぁと思います」と、具体的に語ったが、「でも、商業的にはあまり重宝されない方だなぁと…」と、オチも付けた。

元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
セザンヌが使っていたオブジェを展示

 その理由は、「稽古時間とかすごく取りそうじゃないですか。これじゃ初日あけられないとか言いそうじゃないですか」と、苦笑い。さらに、そんな“セザンヌタイプ”の演出家は、「思いつく人はいますが、ここでは名前は…」と、笑った。

 陽月は、美術館にも足を運ぶそうで、「10代のときに比べると、感覚の代謝が悪くなった気がして、そういうのが足りない時に来ます。そうすると、自分は何を求めていて、何が必要なのか、足りないものが目に飛び込んでくる」と、感覚を戻しに来るそうで、マンネリにならないコツだという。

 さらに、「自分はこう見ていたけど、この人にはこう見えるんだというのが、具体的に“モノ”になって見えるのが絵画だと思うんです。そして、自分の物の見方だけが正しいんじゃない。正解はないよ」と、今回も語りかけ、気づかせてくれたという。

 最後に陽月は、油絵を美術で習って、「何でもアリだなという世界が好き」だったそうで、小さいときに書いた絵も実家には残っているそうだ。その後、高校の時に、デザインやグラフィックの方に興味が移ってしまったそうだが、「自分が見たもの、感じたものを形にして残せる。できたらいいなぁ」と、創作意欲を刺激されていたようだ。

 同展覧会は、3月28日より6月11日まで、東京・国立新美術館にて公開。

 

元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
過去国内最大級の規模の個展
元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
セザンヌという人を感じられる展覧会


元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
6月11日まで東京・国立新美術館にて開催
元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
セザンヌ展の入口


元宝塚女優の陽月華、「セザンヌ展」鑑賞!セザンヌという人を感じられる展覧会
『3人の水浴の女たち』(1882年)
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