俳優・津川雅彦(72)ら5名で結成された『東北観光応援団』が15日、都内で開かれた『東北観光博』事前説明会にゲストとして出席した。
『東北観光応援団」の顔ぶれは、津川、レーシングドライバー・“ミスタールマン”寺田陽次郎(64)、オリンピック体操競技金メダリスト・塚原光男(64)、トレイルランニング（登山マラソン）の国内第一人者、鏑木毅(43)、ロンドン五輪マラソン代表選手・藤原新(30)の5名。当日は他にもお笑いコンビ『トータルテンボス』大村朋宏(36)・藤田憲右(36)、青森県大間の地域づくり団体・LLPあおぞら組の組長・島康子らが出席し、『東北観光博』のプレゼンテーションを行った。
『東北観光博』は 昨年3月11日に発生した東日本大震災の影響により落ち込んだ観光需要の喚起を目的とした環境庁のプロジェクトで、東北地方6県に28の観光ゾーンを設け観光産業の活性化により東北の復興を目指すもの。地域の意向を踏まえながら訪れる人々と迎える人々の交流をサポートし、ともに東北地方の復興に取り組んでいく。『旅のサロン』『東北パスポート』『旅の駅』『ポータルサイト』『公式ガイドブック』の5つのツールを活用、『こころをむすび、出会いをつくる』をテーマに観光庁などでつくる実行委員会が主催し、2013年3月まで官民挙げて開催される。
会見で、津川は「東北の思い出というと、映画のロケで山形に何ヶ月もこもっていたことを思い出す。とにかく雪が印象深い」と話し、「冬の寒さ、過疎とかそういった厳しいところ、厳しい中で磨かれてきた、あったかい、そして美しい心を東北を旅することで感じて欲しい。そう感じることが旅の一番のお土産なんじゃないかな」とコメント。
また、津川は「大震災の被害を被った東北の、そのあとの我慢強さ、忍耐に、世界中の人々が感動した。俳優としては、世界の人々への感謝の気持ちを込めて、森村誠一さんの原作で『祈りの証明』という映画を作っています」と、映画人として自らの震災復興への取り組みを話し、「東北旅行のおすすめは世界遺産の平泉と、縄文人が作った青森の三内丸山（遺跡）」と東北観光の見どころもしっかりとアピールした。
一方“ミスタールマン”の愛称で日本のみならず『ル・マン24時間レース』が開催されるフランスでの人気も高い寺田は、「昨年のルマンでは、主催者や世界中から参加しているドライバーたちから日本への応援メッセージをたくさんもらった。自分はそういった世界からの応援に答える感謝の意味をこめて、今年10月14日に日本で世界選手権を開いて世界中の人に日本からの感謝の気持ちを伝えます」とコメント。
多くの海外大会へ参加し、2009年4月からプロのトレイルランナーとして活躍している鏑木は「海外に行くと日本の現状に対して、大丈夫なのか？といったネガティブな声をたくさん聞く。そういった悪いイメージを払拭するためにも自分は海外の選手を呼んだレースを開いて、世界中に知らせたい」とコメント。塚原も「日本の、東北の観光資源の素晴らしさを世界中に知って欲しい。震災時に世界中からもらった激励のメッセージに対して、今度の五輪ではまず世界中にお礼を言って、そして日本をアピールしたい」と、寺田、鏑木と同様スポーツ界から日本の復興を世界にアピールすることを誓った。
選考会となった2月の東京マラソンで2時間7分48秒の好タイムを記録、日本人トップの2位に入ったことでロンドン五輪・男子マラソン代表の座を獲得した藤原は、自らの境遇に東北地方を重ね合わせ「自分は実業団選手を辞め無職になった。仕事も無くとてもつらいときがありました。それでも諦めずにより良い明日を信じたから、僕がロンドンに行けるのは、そう思い続け努力したからです。マラソンは個人競技ですが自分は日本のたくさんの人々の思いをのせて、一緒に走っている、そういう自分の姿を見て東北の人々に勇気を感じてもらえれたらうれしいです。その舞台をロンドンにしたい」と五輪への意気込みをコメントした。長崎県出身の藤原はインターハイで東北を訪れたことがあると話し「東北の 人は温かい。素晴らしい風景、道があります。温泉に入っておいしいものを食べて、そして走るという楽しみ方もあります」と応援団らしくPRも忘れなかった。
