NO IMAGE

【日本アカデミー賞】八日目の蝉10冠!井上真央、主演女優賞「逃げないでよかった」

【日本アカデミー賞】八日目の蝉10冠!井上真央、主演女優賞「逃げないでよかった」
涙を流す小池栄子

 『2012(第35回)日本アカデミー賞』授賞式が2日、東京・港区「グランドプリンスホテル新高輪」で行われ、『八日目の蝉』が「最優秀」だけで10冠、新人俳優賞もいれると、11冠と圧勝。井上真央(25)は、辛かった撮影現場を思い出し、涙を流した。

 「頑張ってくれた仲間が『最優秀』を次々獲ってくれた」と【最優秀監督賞】に輝いた成島監督がいい、【最優秀主演女優賞】に輝いた井上も、「携わった(スタッフ、キャストのみなさんが)驚くぐらい『最優秀』を獲っていかれるので、良かったぁという気持ちでいっぱいです」というほどで、映画『八日目の蝉』は、【最優秀作品賞】【最優秀監督賞】【最優秀主演女優賞】【最優秀助演女優賞】【最優秀脚本賞】【最優秀音楽賞】【最優秀撮影賞/最優秀照明賞(同一作品から選ばれる)】【最優秀録音賞】【最優秀編集賞】【新人俳優賞】に輝いた。

 同映画は、自分の子を失った喪失感から、不倫相手の子どもを誘拐した希和子(永作)。逃亡生活の果て、4歳になり初めて実の両親の元に戻った恵理菜(井上)は、育ての母が誘拐犯であったと知る。やがて21歳になった恵理菜は妊娠するが、その相手もまた家庭を持つ男だった……母性を描いたヒューマンドラマ。角田光代の小説を映画化。

【日本アカデミー賞】八日目の蝉10冠!井上真央、主演女優賞「逃げないでよかった」

 【最優秀助演女優賞】を受賞した永作博美(41)は、2年前に出産し、復帰作だったが、「(誘拐した子を自分の子として育てるというストーリーに)何一つ正解がわからず、赤ちゃんは毎日、本気で泣いてくるで、大変でした」と、撮影当時を振り返り、【最優秀主演女優賞】を受賞した井上は、クライマックスが小豆島での撮影だったが、「東京から来た女優さんっていう感じ」と、監督に言われ、「心が折れ、海をボーッと見ていたのを思い出しました」と、壮絶な現場を振り返った。

 井上は、「小池さんがいなかったら、最後まで続けられなかったんじゃないかというぐらい」だったそうで、「(作品賞は)何よりも欲しかった賞。監督から逃げたいと思っても逃げなくてよかった」と、感慨深げに語った。

【日本アカデミー賞】八日目の蝉10冠!井上真央、主演女優賞「逃げないでよかった」
最優秀主演女優賞の井上真央

 その小池栄子(31)も、監督に「胸を小さくしましょうか」と提案し、実際に潰して挑むほどの熱演で、優秀助演女優賞を獲得。作品賞受賞の際は、涙を流すほどだった。

 おしくも「最優秀」は永作に軍配が上がったが、その永作も、自分の髪を切って短くするなど、まさに、身を削って3人の女優たちが体当たりで演じた壮絶な現場だった。

 永作は、「役者としてもまだまだ掘り下げられる部分が、まだまだいっぱいあるんだなと。役者の可能性をまた一段と一段と感じられる作品になりました」と、感慨深げに語った。

 井上は、「こんな最優秀なんて私は早すぎると思っていたのですが、いまは嬉しく誇りに思っています。1つの夢を叶えてくださって、みなさんに感謝を申し上げます。映画がこれからもっともっと届いていければいい、貢献できればいい、貢献できる役者に私自身なっているよう、この賞を自信、誇りに変えてやっていきたい」と、かすかに自信に満ちた晴れやかな顔で語った。

【日本アカデミー賞】八日目の蝉10冠!井上真央、主演女優賞「逃げないでよかった」
助演女優賞の永作博美

 「厳しい監督」と、異口同音にスタッフ、キャストから言われ、【最優秀監督賞】を獲得した成島出監督は、「4月の公開だったが、3月11日に震災があって、家族引き裂かれる映画だったので、今のタイミングでどうだろう」と、不安だったという。ところが、「大事な人をなくして、八日目を生きなきゃいけなくなったんだけど、この映画を見て頑張ろうと思いました」とか、「家族に会いたくなった」「走って子供抱きしめた」などの反響があったそうで、「お役にたてる、愛される映画を始めて作った」と、感無量。

 成島監督は、「小豆島の方々、撮影協力してくれた人たち、大勢の力でできた。感謝します。今日みんな賞獲れたので嬉しく思っています。きつい役、きつい仕事だった。全員が全力尽くしてくれて、チームの誰1人かけてもできなかった作品。ありがとうございます」と、感謝の言葉を述べた。

 

 

【日本アカデミー賞】八日目の蝉10冠!井上真央、主演女優賞「逃げないでよかった」
“親子”を演じた永作(左)と井上


広告