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昭和を彩る名女優・淡島千景さん死去…60年の親交ある淡路恵子悼む

 舞台、テレビなどで幅広く活躍した女優・淡島千景(本名:中川慶子さん)が16日、すい臓がんのため東京・目黒区の病院で死去した。87歳だった。

 淡島さんは東京都出身。宝塚歌劇の娘役で活躍後、松竹に入社。1950年に映画『てんやわんや』で銀幕デビューすると、『麦秋』(監督:小津安二郎)、『君の名は』(監督:大庭秀雄)、55年に森繁久弥さんと共演した『夫婦善哉』(監督:豊田四郎)の芸者役となり女優としてのキャリアを積んだ。シリアスな演技にも実力を見せ、NHK大河ドラマ第1作『花の生涯』(63年)にも出演。晩年はNHK連続テレビ小説『春よ、来い』で郎きょうの女性を演じていた。

 17日付のサンケイスポーツ、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、デイリースポーツ、スポーツ報知、スポーツニッポン各紙が報じており、昨夏、遺作となった『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の撮影中、胆管炎の疑いで検査したところ、すい臓がんが見つかったという。おいの中川賢也さん(48)によると、がんは「ステージ4だった」というが、本人には知らせず、高齢ということもあり手術もせず、自宅で静養し、今年の正月も例年通り自宅に親族が集まり「自分のことよりも僕たちの体調ばかり気にしていた」という。

 15日も目をしっかり開け元気だったが、この日早朝に容体が急変。長年身の回りの世話をしていた女性が寄り添う中、ゆっくりと目を閉じ、静かに息を引き取ったという。

 この悲報に、淡島さんと親交が60年以上あり、「淡」の1字をもらって芸名にしている女優・淡路恵子(78)は、「一瞬、息が止まりそうになったけど、何となく虫の知らせがあった」と、予感があったといい、今月11日に最後に顔を合わせた際は、淡島さんは淡路の顔をずっとなで、「アイスクリームを食べたい」とねだる淡島さんに「今度おいしいのを持ってくるからね」と答えたのが最後の会話となったという。

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