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秦基博×新海誠監督トークショー!「言の葉の庭」楽曲に照れ「素っ裸を見られたみたい」

秦基博×新海誠監督トークショー!「言の葉の庭」楽曲に照れ「素っ裸を見られたみたい」
秦基博と新海誠監督によるトークが開かれた

 新海誠監督(40)とシンガーソングライターの秦基博(32)が29日、東京・タワーレコード渋谷店で6月1日より公開される新海監督の劇場アニメーション『言の葉の庭』(配給:東宝映像事業部)スペシャルトークショーを開催した。

 新海監督が2013年の作品に選んだのは、万葉集の一篇から始まる“孤悲(こい)”の物語。独自の感性と言葉選びにより、まるで小説を読むような味わいとテーマ性を持った繊細なドラマが構築されている。

 女性ファンの多い会場に、新海監督は「新海誠展なのに秦さんのファンの女性の方々が多い、何ていうかこのアウェイ感」と、苦笑い。同日から関東地方は梅雨入りとなったが、雨を季節にした本作と同じく雨をテーマにした楽曲『Rain』を歌うことから、「いや~、持ってますね~」と返し、一気に和やかなムードとなった。

 『Rain』は、1988年に大江千里が発表した楽曲で、秦がカバーしたもの。新海監督も好きな楽曲だったそうで「もし雨の作品を作ることがあれば使わせてもらいたいと思っていました。80年代の曲なので、いまの映画に合う、いまの歌声に包んでみなさんに届けたいと思い、秦さんにお願いしました」と、起用理由を打ち明ける。

秦基博×新海誠監督トークショー!「言の葉の庭」楽曲に照れ「素っ裸を見られたみたい」

 その楽曲の出来栄えについて、新海監督は、「秦さんが『こういう感じで進めてます』と言って完成前の曲を聴かせてくれたんです。ほぼハミングで歌っていて、時折日本語らしきものが入っていて、でもそれがまた心地いいんですね。どういう歌詞がついてくるんだろう?と楽しみにしていて、そして完成版を聴いた時、歌詞が素直に入って。秦さんの創作の秘密の一端に触れた気がしました。言葉をちょっとずつ手繰り寄せるような」と、胸の内を明かす。

 一方の秦は「イメージは僕の中にいっぱいあって、その中でちょっとずつ形を作っていく、自分が求めているものを探していきます。ハミングの中にヒントが隠されている。だからハミングで歌っているものを聴かれるのは、なんか素っ裸を見られたみたいで」と、照れながら明かしていたという。

 そんな楽曲の使われる部分について新海監督は、「エンディングテーマといっても単にエンドロールに流れる曲という形ではなく、映画のクライマックスに密接に絡む形で、一番グッと盛り上がるシーンに秦さんの歌がくる、という使い方をしています」と、見どころと絡めて話す。秦は完成した作品を観て、「そのシーンでの主人公の気持ちと、そこでどう音楽が流れるべきかを監督がハッキリとイメージされていて、それを踏まえてアレンジャーの皆川真人さんと作っていきました。作りながら『この曲のシーンを観た人たちがこういう気持ちになってもらえたらいいな』とイメージしていたんですが、自分も完成した映画を観たときに1人の観客としてその気持ちになれたからすごく嬉しかった」と、感想を語った。

 後半ではイベント来場者からの質問コーナーで作品以外の話題となることに。お互いの会う前と会った後の印象を尋ねられ、秦は新海監督を「新海監督は、監督の書く文章を読んでいて、芯がブレない人で、オーラのある威圧的なイメージがあったけど、実際は優しい雰囲気で緊張感をフワッと和らげてくれる」。新海監督も「会う前から持っていたイメージ通りの方でした。まだ僕の知らない秦さんがいるとは思いますが。全身で音楽を作っている、自分の声も含めて楽器のような、求道的でまっすぐな方向を見ている人。職人というか」と、語っていた。

 最後に新海監督から「『言の葉の庭』は、年齢のギャップのある男女の話であり、年齢差があるということは社会的立場にギャップがあるということ。2人は社会的な事情で純粋な気持ちだけでは動けない。しかし、僕たちの世界というのは社会的立場と純粋な気持ちの絡み合いで出来ていると思う。皆さんも自分を投影するところが必ずある作品だと思います」と、アピールしていた。

 劇場アニメーション『言の葉の庭』は31日よりロードショー中!

 ■STORY
 靴職人を目指す高校生・タカオ(入野自由)は、雨の朝は決まって学校をさぼり、公演の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。ある日、タカオは、ひとり缶ビールを飲む謎めいた年上の女性・ユキノ(花澤香菜)と出会う。ふたりは約束のないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオだったが…。

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