アニメーション映画『心が叫びたがってるんだ。』（監督：長井龍雪／配給：アニプレックス）初日舞台あいさつが19日、東京・新宿バルト9で開かれ、成瀬順役・水瀬いのり、坂上拓実役・内山昂輝、仁藤菜月役・雨宮天、田崎大樹役・細谷佳正、成瀬泉役・吉田羊、キャラクターデザインと総作画監督を務めた田中将賀氏、脚本を担当した岡田麿里氏、長井監督が登壇し、司会はフジテレビの小澤陽子アナウンサーが務めた。
テレビアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』で感動を呼んだ田中氏、岡田氏、長井監督が再び集結して送る作品。幼いころ何気なく発した言葉によって家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順の目の前に“玉子の妖精”が現れ、二度と人を傷つけないようにと言葉を発することへの呪いをかけられてしまう。高校2年生になった順は、心まで閉ざしてしまっていたが担任教師から「地域ふれあい交流会」の実行委員にされてしまいやる気のない少年・坂上、野球部の元エース・田崎、チアリーダー部の優等生・仁藤と出会うことになり…。
拍手で迎えられたキャストら。水瀬は、「順という女の子を演じられて本当に幸せでいっぱいです」というと、細谷は「アフレコから公開初日までそんなに時間が開いていないんですが、アフレコの映像を見ているので、上映できたんだな、よかったなって思いました」と、制作側の苦労の一端を語り、会場の笑いを誘うことに。
オーディションで順役を手にしたという水瀬は、「ヒロインが声を出すことができないというので、どんな演技を要求されるのか分からなくて、そんな気持ちのまま自分の思った順を演じたら、合格することができたんです。自分では自身があったわけではなかったので、やっぱりこうやって、この映画の中で順という女の子を演じ切れたことが、自分の中ですごく成長につながったかなと思っています」と、感慨深げ。
一方の内山は、細谷を指し「この人から坂上役に決まったことを聞いたんです！」と、裏話を。内山は「細谷さんが別の作品のアフレコで『「心が叫びたがっているんだ。」一緒にやりますよ！お願いします！』って言ってきたんです。最初言われて意味が分からなかった」と、恨めしげだったが、細谷は、「嬉しかったんで」と、はにかむ。しかし、内山は「これがガセネタだったらショックは計り知れないんで、ちょっと一旦立ち止まらせてくれと言って事務所の方に確認して、本当のことでよかったと思って。こんなこと人生で初めてでしたよ」と、心情を語り場内は大爆笑だった。
そのうち山の恨み節に細谷は、「映画の脚本をアニメーションで表現したような、作品に関わりたいなとずっと思っていたんです。そういう作品に内山昂輝さんが、関わることが多くて、僕の中では一緒にやりたい役者さん……ナンバーワンだったんでフライングになってしまって（笑）」と、苦笑いで釈明していた。
さらに、雨宮は、「もともと順のオーディションを受けたんですが、当日に菜月の原稿を渡されて急いでチェックして受けた役だったので、まさか決まると思わなくてすごく驚きました」と、話していた。
舞台あいさつでは、作品タイトルにちなんで、いまココロが叫びたがっていることを問われ、長井監督は「時間がほしい」と、明かしたり、田中氏は、「無事完成してよかった！」と、苦労をにじませることも。
『なぜこのタイトル？！』としたためた内山は「インタビューの取材を受けていると、最後にいまあなたが心から叫びたいことはなんですかと聞かれてネタがないんです！きょうもそうです！」と、切実（？）な訴えも。さらに、作品のヒットなどを願うキャストたちのなか、雨宮は『新しいマットレスが欲しい』と思い切りプライベートなことを書くことに。この理由を尋ねられると、「知人から2年前にダブルベッドをもらったんですが、シングルのマットレスをひいて寝ているんです」と、個人的な話を展開すると、吉田が「監督買ってあげたら」と、援護射撃をすると、長井監督は「ウルトラ大ヒットしたらそれくらいは懐の広いところを見せたいかな」と、サービストークで盛り上げていた。
アニメーション映画『心が叫びたがってるんだ。』は19日より全国公開中！
