ミュージカル『ファウスト～最後の聖戦～』（演出：ヨリコ ジュン）公開ゲネプロが10日、東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウスで開かれ、主演のハインリヒ・ファウスト役のアイドルグループ『A.B.C―Z』河合郁人（27）とオフィストフェレス役・五関晃一（30）、悪魔 メフィストフェレス役・三田佳子（73）、マルガレーテ王女役・玉置成実（27）、天使ガブリエル役・増田有華（23）らが熱演で魅せた。
漫画家・手塚治虫氏が生涯にわたり描き続けた『ファウスト』3部作（『ファウスト』、『百物語』、『ネオ・ファウスト』）より、『ファウスト』と『百物語』をベースにしたミュージカル作品を河合主演で2014年6月に上演。本作は再演という形を取るが『ネオ・ファウスト』のエッセンスも取り入れ、引き続きハインリヒ・ファウストを河合が演じつつ、体を張って動き回る作品としてパワーアップして帰ってきた。
見どころは、河合の3変化。最初はひげ面の冴えない男からスタートし、メフィストフェレスとの契約をしたことから、イケメンの貴公子として人生をやり直す。中盤には、ある戦いのために、女性へと変身するという驚きの展開も。
この日、ゲネプロ前に河合はこの“女体化”を「声は演出家の方から、あえて変に裏声とか使うとお笑いになっちゃうので、男の声でセクシーなオネエ系を目指しながらを意識しました。あとは動きで出すようにしてます」と、話していたとおり、どこかセクシーな声を漂わせることに。
役作りのために、稽古中も「キャストの女性陣をずっと観ていました。マルガレーテ役の玉置成実さんがどんな所作をするのかとか」と、研究したこともあり、どことなく“女の子”と見えてくるほどの作り込みを披露した。
ほかにも、河合と五関の2人による殺陣があったり、背中合わせで戦い、バク転を息を合わせて2人同時に披露することも。
また、河合が劇中で「今回もあるんですか！」と叫んだ、魔女リリス役の梅垣義明とのサランラップ越しの生キスもあり、笑えるポイントも。ちなみにこの“生キス”、観劇している男性客にもされるようで、五関が梅垣と客席に降りて促すというファン参加型（？）の演出もあり、“キス”に巻き込まれた記者へ五関は「悪く書かないでください！」と、頼み込む一幕もあった。
ミュージカル『ファウスト～最後の聖戦～』は10日から20日まで東京芸術劇場プレイハウスにて全17公演。大阪・森ノ宮ピロティホールで25、26日に全4公演で上演！
■STORY
遠い遠い昔―。悪魔メフィストフェレスは人間という生き物が不思議でしょうがなかった。なぜ殺し合い、愛しあうのか。なぜ全ての正体を知りたがり、そんなにも複雑なのか？なぜ、善の為に悪を装うのか。その時下界では、罪を犯し死刑が執行されようとしている男、ファウストがいた。絶望の淵に立つこの男を助け未来や希望を与えたら、人間の謎が解けるのではないか……そう考えたメフィストは、彼の前に降り立った。契約を交わし、メフィストの分身であるオフィストフェレスに見守られながら、第二の人生を歩むことになったファウスト。
果たしてその先に訪れる結末とは……。
■キャスト
ハインリヒ・ファウスト：河合郁人
悪魔 メフィストフェレス：三田佳子
オフィストフェレス：五関晃一
マルガレーテ王女：玉置成実
天使ガブリエル：増田有華
剣士 アバレ：赤木悠真
剣士 カスメ：優志
ロビン隊長：斎藤准一郎
剣士オサエ：早川勇平
魂イカリ（ポルキュアス1 ヘレネの手下で盗賊）：小林瑞紀
天使ラファエル：鈴木結加里
天使ミカエル：伊地知玲奈
魂フアン（ポルキュアス2 ヘレネの手下で盗賊）：ANGELLA
魂カナシミ（ポルキュアス3 ヘレネの手下で盗賊）：丸山未那子
召使アマル：黒田こらん
魔女リリス：梅垣義明
オークラン大臣：モロ師岡
魔法使いシャーマン：森宮隆
王子ヴァレンティン：渡辺邦斗
メネラス国王：藤井びん
妖怪王 ヘレネ・タマモ：舘形比呂一
