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【インタビュー】文音、母親・志穂美悦子のアクションとは違う!1年半のアメリカ演劇留学に行った理由とは?

【インタビュー】文音、母親・志穂美悦子のアクションとは違う!1年半のアメリカ演劇留学に行った理由とは?
本格的なアクション映画デビューを果たした文音

 6月20日より公開中の映画『KIRI-「職業・殺し屋。」外伝-』(監督:坂本浩一/配給:東映ビデオ エクセレントフィルムズ)で、本格的なアクション映画デビューを果たした女優・文音(27)。

 彼女の母親は、70年代~80年代に“悦っちゃん”の愛称で人気を博した元祖アクションヒロインの志穂美悦子(59)。「同じ土俵ということで」と質問を切り出そうとすると、「母のはアクションの型ですが、私のは“型”というよりもバレエを習っていたので、“舞う”ような感じなんです」と、全く違うと、明確に述べる。

 それでも、お母さんにアクションの指導を受けたかと問うと、「今回は、撮影期間が短かったことと、違う作品も入っていたため、(母に)聞く余裕がありませんでした」と、「今回はなかった」そうだが、昨年、出演した連続ドラマ『SAKURA〜事件を聞く女〜』(TBS系、2014年10月期)でのアクションシーンは、「アクションし始めたころは、中途半端なアクションやりたくなかったので、聞いて教えてもらっていた」とのこと。

 まず、母である志穂美が育った『ジャパン・アクション・クラブ』(通称JAC)の流れをくむ『株式会社ジャパンアクションエンタープライズ』(通称JAE)で稽古を受けた後、自宅で、「母から一つ一つの動きをもう一度、おさらいして教わった」と、いう。それが数ヶ月続いたそうで、ドラマの特別試写会でのあいさつでは、「女版ベストキッドのようだった」と、振り返っていた。ちなみに志穂美は、1987年にミュージシャン・長渕剛と結婚。芸能界を引退して27年、59歳になるが、現役時代と変わらない動きだったそうで、「かないませんでした」と、笑う。

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 文音の今回の役どころは、女性暗殺者を演じる主演・釈由美子(37)の妹分・ルイ。2人は幼少の頃からプロの殺し屋になるために厳しい訓練を受けてきた。そのため、「ナイフを使った殺しの方法だけでなく、その殺し方も似てるほうがいいということで、撮影前に釈さんと一緒に、坂本監督から型を学びました」。

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見どころはアクションシーンだけではない

 また、“年の離れた妹を守る姉”という2人の関係性は、カメラが回っていないところでも、自然とそんな雰囲気になっていたという。12月の半ばに山梨の山奥で撮影が行われたにも関わらず、女性陣はショートパンツにキャミソール姿で震えながらアクションしていたという、季節感がゼロな現場だった。「私も真冬に短パン生足の衣装のまま、私が冷たい床の上に横になるシーンがあるんです。そのとき釈さんが、カメラに映らない箇所に湯たんぽを敷いてくれました。心遣いが本当に嬉しかったです」と、微笑ましいエピソードを語った。

 見どころは、アクションシーンだけではない。普段はおとなしいが、ときおり激しい部分が顔を出すという、ルイの特異性を出す芝居部分にもある。「ルイという女の子は痛みと悲しみをすごく胸の奥に抱えてしまった。闇を持った女の子」と、説明する文音。

 当初は、おとなしいのが本当のルイなのか、激しいのが本当のルイなのかと、悩んだ。しかし、「撮影前に監督とディスカッションをして、疑問が全てクリアーになりました。そこでルイの気持ちの流れがストンと自分の中に落ちてきました」と、撮影前の監督とのやり取りでスッキリしたという。そして、いまでは、ルイがどうしてそうなってしまったのか、わかるまでに理解している。

 役作りとしては、似たような性質の人物が登場する映画やビデオなどで研究したそうで、激しい部分を出すのに、特に強調して演じた点として、「目つき」を挙げた。普段の時とスイッチが入った時の差である「目つき」に注目して観ていただきたい。

 映画の見どころとして、「アクションもカッコいいんですけど、ラブストーリー、姉妹愛など、ヒューマンな部分も入っていますので、そういうところにも注目して見てください」と、違う部分もアピールした。

【インタビュー】文音、母親・志穂美悦子のアクションとは違う!1年半のアメリカ演劇留学に行った理由とは?
1年半のアメリカ演劇留学した理由とは?

 また、文音は、20歳の2008年、映画『三本木農業高校・馬術部』に主演し、映画デビューを果たす。第33回 報知映画賞「新人賞」と第32回 日本アカデミー賞「新人賞」を獲得。本来ならば、知名度もあり、賞を獲得した勢いに乗って、そのまま突き進むところだが、学業を優先し、2012年に大学を卒業後、2012年9月ニューヨークの、フィルムアカデミースクールに、 約1年半演劇留学する。

 2008年の初主演映画デビューの時は、芸名を長渕文音と名乗っていたが、「ご両親のことは」積極的には語られていない。やはり、両親の名前がついてまわる日本の環境よりは、そういうことにとらわれない、フラットなところに身を置きたかったのかと問うと、「そんなことはないです。ドラマ『コヨーテ、海へ』(WOWOW、2011年)に出演した時に、ロケでニューヨークに行く機会があり、刺激的な街で憧れました。そして、ここでいつか、演技をしっかりと本格的に勉強をしよう。やるならちゃんとやろうと思うようになりました。大学を卒業してから、留学したんです。全てはタイミングだったということです」と、特に気負わずに、しかし、しっかりとした口調で自分の意志を告げる。

 その学校は厳しく、授業は全て英語なのはいうまでもなく、12名いた生徒が次々と脱落していって、卒業するときには6人と半分に減っていたほどだという。そんな厳しい状況に身をおき、約1年半で留学を終えて、2014年に帰国。

 そして、今回の映画では、アメリカでのアプローチの仕方を熟知している坂本監督だったことで、「意見を聞いてくれて、ディスカッションしてくれました。また、坂本監督が英語でジョークを言ってきたり(笑)」と、リラックスして挑めた。また、学んできたことを実践の場で活かし、それが受け入れられたことで、自信にもつながっただろう。

 才能は映画賞で新人賞を受賞したことで証明済み。1年半の厳しい環境の中での留学で、アプローチ方法を学び、いよいよ実践の場へと飛び出していく女優・文音。今後が楽しみな女優がまたひとり現れた。

■文音(あやね)プロフィール
1988(昭63)年3月17日、東京都生まれ。27歳。ミュージシャン・長渕剛、女優・志穂美悦子夫妻の長女。3才~15歳までバレエ学校に在籍。08年に映画『三本木農業高校・馬術部』で主演デビュー。第33回報知映画賞「新人賞」、第32回日本アカデミー賞「新人賞」受賞。2012年に大学を卒業後、約1年半ニューヨークの演劇学校に留学し、2014年帰国。14年10月期連続ドラマ『SAKURA~事件を聞く女~』(TBS系)レギュラー出演し、初めてドラマのアクションに挑む。

 

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