女優・小松菜奈（19）、菊地凛子（34）が14日、東京・スペースFS汐留で土曜オリジナルドラマ『連続ドラマW 夢を与える』（WOWOW）舞台あいさつ付き完成披露試写会を本作でメガホンを取った犬童一心監督（54）とともに開いた。
小説『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞した作家・綿矢りさ氏の同名作が原作。美しく健やかに育った少女・阿部夕子（小松）が、華やかな芸能界で成功しながらも、過剰な思い入れを持つ母親・幹子（菊地）、芸能プロダクション、CMクライアント、広告代理店、テレビ局の人々の欲望の渦に巻き込まれていく。友情、恋愛、裏切り、母娘の葛藤を直面にしながらも強く成長していく姿が描かれる。気になる第1話は、夕子かもしれない女性の情事がネット上の動画で流れ、それが炎上し拡散してしまうというショッキングな一大スキャンダルシーンから始まり、そこから12年前の夕子が栄光を掴むまでの幼少時代などが描かれる。
胸元がぱっくりと開いた黒の装いで登場した小松。夕子の幼少時代は人気子役・谷花音が演じ、14歳から18歳までを小松が演じることとなるが、「微妙な年頃で、お母さんに対して反発したりとか、割と大声を出すことが多かったんですけど、普段、あまり大声を出したことがなかったので私、こんなに大声出るんだなって新しい発見がありました」と、演じてみた感想を。
さらに、夕子は女優とモデルという小松と同じ職業設定なため、「阿部夕子をやっていて小松菜奈として答えちゃってる部分があったりして、役が近くて難しかったです」と、距離が近かったことで役にリンクしすぎてしまったのだとか。それでも、「お母さんに対してもワーと言う方じゃなくて、すねる割とめんどくさいタイプ」と、性格的には違う部分もあったそうだ。
ドラマ初出演で菊地とは初共演となる小松だが、「サバサバしたクールなイメージだったんですけど、お話したらすごく明るくて気さくで、お茶目なところとかも現場で見せてもらってイメージと違いました」といい、逆に菊地も、「どういうふうに一緒にやっていけるかと思っていましたけど、集中力があって、小松さんと演って充実する機会になりましたし、キラキラした楽しい感じになりました」と、高評価だった。
なお、菊地はフランス人の夫を持つという設定のためフランス語を日常的にしゃべるシーンが多く出てくる。本作のためにフランス語を習得したのかと思うほどの迫力ある演技を見せているが、実は「この単語が合っているのかすら分からなかったので、先生についてやらせて頂いて楽しかった」と、分からないなかでのものだったという裏話も披露し「こんな大きな娘（夕子）が居る役でしたし、女性としても母親としても難しいテーマでやりがいのある役でして演じて役者冥利に尽きます。充実した時間でした」と、幹子を演じた感想も。
一方、犬童監督は本作の映像化について、綿矢氏が小説を発売した当時から情熱を持ってアプローチしていたそうで、綿矢氏から早い段階でシナリオはOKが出ていたそうだが、世に出すまで6年かかったということに、「綿矢さんにやっとできたとものを見せられるというのが嬉しかったです。4話が重要で、1人の人間がカメラと真剣に向き合って、自分の人生とかバラバラになりそうなものをつなぎとめるというのを撮りたかったんだと気づいた」と、感無量な様子を見せていた。
ほかイベントでは、本作タイトルにちなんで、実現したい夢はないかと小松に振ると、「私はまだ19なのでなんでもなれるなと思って。やりたいこと、これからたくさんやっていきたいなと思っていて世界遺産とかを巡ってみたい！」と、若々しい抱負を。これに犬童監督が「オリンピックに出たいとか言うと思った（笑）」と、ツッコみ3人で爆笑したり、菊地は「病気をしない健康でありたい」と夢というより願望を挙げて、会場を和ませていた。
最後に小松から「すごく引き込まれて、あっという間に終わっちゃったなと思っています。重たい話ですけでお、シュールな絵があったりとか、撮影のときを思い出して笑っちゃったりとか、ここ頑張ってたなっていうのがありました。自分が作品に出てる出てない関係なしで、おもしろいなと思っているので1話から4話を観て楽しんでもらえたら」と、PRしていた『連続ドラマW 夢を与える』は16日毎週土曜午後10時より全4話でスタート！なお第1話は無料となる。
