人気アイドルグループ『関ジャニ∞』の渋谷すばる（33）が14日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで主演映画『味園ユニバース』（監督：山下敦弘／配給：ギャガ）初日舞台あいさつを女優・二階堂ふみ（20）、鈴木紗理奈（37）、山下監督（38）とともに開き、司会は荘口彰久（46）が務めた。
大阪を舞台に圧巻の歌声を持つものの記憶喪失の男（渋谷）。男はバンド・赤犬のライブに乱入したことがきっかけで、バンドマネージャー・カスミ（二階堂）と出会い、“ポチ男”と名づけられバンドのボーカルに迎えられる。徐々に“ポチ男”の記憶は戻っていくのだが、物語は思いもかけない方向へと動き出すこととなり…。
上映後にキャストらが登壇。渋谷からまず「一生懸命やったので、よかったら言いふらしてください」と、アピール。そして話が渋谷以外の3人から渋谷の人となりを語ることへ向く。
山下監督は渋谷のことを、「一言で言うと正論しか言わない人。正しいことしか言わないので、こちらも身が引き締まるというか。元々（渋谷の役は）もっとコミカルな感じだったんですけど、渋谷くんと作っていくと、ストイックなんだけどクズな男になりました」と、作品自体に影響も及ぼしたそうで、二階堂も「身が引き締まることが多かったです」と同じく、うなずいた。
渋谷は、そんな2人に対し、「そうなんですか？そういうつもりはなかったんですけど一生懸命やっただけです」と、真面目に返し、マイペースな姿を見せ観客を和ませることも。
一方、鈴木は、「すばるくんはジャニーズとかアイドルのイメージで入らせて頂いたんですが、役者さんのオーラがあって、現場を引き締める空気も持ってる。歌っている姿もミュージシャンにしか見えなくて、私より年下なんですけど、奥深い男の子なんだなと魅力に気づきました」と、感じるものがあったそうで、これには渋谷もはにかんでいた。
その鈴木が褒めていた歌唱シーンについては、記憶があるときとないときの歌い分けがあり実際に歌い分けしているそうだが、渋谷は、「なんとも説明できないっすわ」と、そこは観てのお楽しみとしていた。
ほかにも、現場でのエピソードについて、渋谷が、「俺がどつかれるところがあるんですよ。その説明を監督が二階堂さんにしてて、軽く殴っていたんですが、それがドンドン強くなっていって『監督が女優殴ってる！』って」と、裏話を暴露して盛り上がったり、劇中で何度も使われる「しょーもな」というセリフにかけ自身のダメなエピソードを問われると、渋谷は、「それが分からなくて、マネージャーとしゃべったときにダメなところ教えてと言ったんです。そうしたら、かぶり気味で言われたんですけど、『愛想がない！』と言われました。『徹底的に足りないところは、愛想がない』って」と、告白し場内を笑いの渦に引き込んでいた。
そして、渋谷から「本当にやってよかったなと思っています。初めてやったのが海外の映画祭に呼んでもらえたりとか、いろんな方面の人が良かったよと言ってくれて。キャストやスタッフの現場にいた人以外もあってこの映画が成り立っています。すべてのきっかけは映画をやらせてもらったきっかけでつながっていっているので、この音楽映画というのが自分の中で大きいなと思っていますね」と、胸の内を語った後、「僕らが一生懸命作った映画を…、あの…、あの…」と、言葉にうまくできなかったため、その言葉に続けて、歌手・和田アキ子の『古い日記』のサビの部分を数小節アカペラで歌い出し、燃えるようなパッションを観客に伝え、場内は拍手喝采だった。
映画『味園ユニバース』は14日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて全国ロードショー中！
■STORY
大阪。広場で行われていたバンド【赤犬】のライブに、若い男（渋谷）が乱入し、そこは一時騒然となる。しかし、マイクを奪った男が声を放つや、会場は水をうったように静まりかえる。圧巻の歌声！ 若い男は記憶喪失で自分のことを何も覚えていないという。
男の正体と歌声に興味を持った【赤犬】マネージャーのカスミ（二階堂）は、彼を“ポチ男”と名付け、バンドのボーカルに迎えようとする。しかし、男の記憶に閉ざされた過去には、大きな問題があった――。
