歌舞伎俳優・尾上松也（29）らが2日、東京・浅草公会堂で『新春浅草歌舞伎』初日鏡開きを行った。
1980年から続いている、新年伝統の歌舞伎公演。若手歌舞伎俳優の登竜門で、毎年、豪華歌舞伎俳優陣が共演することで知られ、サプライズ企画も用意されるなど、ファンが楽しみにしている公演の1つとなっている。午前11時からの第1部では曽我兄弟を題材とした舞踊の中では最古の作品といわれる『春調娘七種』、続いて『一條大蔵譚』、『独楽売』。午後3時30分からの第2部では三大名作のひとつ『仮名手本忠臣蔵』、『猩々』、『俄獅子』で送る。
午前9時30分の開始前には、歌舞伎ファンが大勢詰めかけることに。尾上は、「メンバーが一新しまして、僕以外のメンバーは平成生まれで若いメンバーでさせて頂くことに責任もあることを感じています。これだけの責任を持ったポジションにさせて頂くのは僕らもこれまでになかなかないことですが、浅草歌舞伎を支えてくださるみなさまや、ここまで引っ張って下さった先輩方のためにも頑張りたい」と、あいさつ。
さらに、1月には東京・東銀座の歌舞伎座で昨年の浅草歌舞伎を支えていた市川猿之助（39）に加え市川染五郎、松本幸四郎、坂東玉三郎、中村勘九郎・七之助兄弟といった有名俳優が『壽初春大歌舞伎』公演を開くことに「猿之助さんが初の歌舞伎座出演という話題の舞台で、それが僕達の大きな壁になるのではないか心配なところではありますが、それを乗り越えろと気合を入れてくれているんだというので、負けないように頑張らなきゃなと思っています」と、先輩超えを誓っていた。
ほかにも中村歌昇は、「一生懸命だけではなく、この公演ならではのものを出していければ」と、抱負を語ったり、浅草歌舞伎初出演となる中村児太郎は、「（大みそかに）除夜の鐘を7人で打ちまして、気持ちが昂ぶりすぎて、きょうは午前6時まで眠れなくて不眠できました。それくらい楽しみにしている公演です」と、思いを馳せる様子を見せていた。
フォトセッション中には尾上へ今年1年どんな年にしたいかと質問が飛び、「飛躍の年に」と語ったり、同席した中村歌昇（25）が昨年10月に婚約したことから、報道陣から「今年はほかにも誰か嬉しい発表はありますか？」との質問が飛ぶと、これには全員で「ないですね～」「難しい」と、顔を見合わせながら笑い、坂東巳之助（25）が「浅草新春歌舞伎が始まるというのが嬉しい発表だよね」と、楽しげだった。
そして鏡開きを行い、観客らはふるまい酒が配られた後、去り際に報道陣から、昨年大みそかの紅白歌合戦の審査員を務めた尾上へ、感想を問う声が飛び、これに満面の笑み。続けて、一昨年11月に脳内出血による筋力低下のため療養に入った中村児太郎（21）へ父・中村福助の容体を問う声が寄せられると、「大丈夫。ありがとうございます」と、丁寧に対応していた。
『新春浅草歌舞伎』は2日から26日まで浅草公会堂にて！
■同日の出席者
尾上松也、中村歌昇、中村種之助、中村隼人、中村児太郎、中村米吉、坂東巳之助
